さがみはら緑区版 掲載号:2017年8月31日号

串川地域振興協議会

山林火災、地元で対策 社会

南山に新防火用ドラム缶

地元の消防団員により設置された緑色の新しいドラム缶。右奥に見えるのは以前から設置されていたもの
地元の消防団員により設置された緑色の新しいドラム缶。右奥に見えるのは以前から設置されていたもの
 山林火災の予防や消火に役立てようと、串川地域振興協議会(熊谷弘会長)は8月20日、宮ヶ瀬湖の北側にある南山(みなみやま)(標高544m)の遊歩道沿いに、防火用の新しいドラム缶(容量200リットル)5本を設置した。消火用水の補給が難しい山中での火災時に一定の効果が期待でき、地元の消防団からも「設置することで安心感がある」といった声があがっている。

 南山にはもともと、15年ほど前から防火用水として、ドラム缶5本が設置してあった。これは、西橋本に相模原工場のあるドラム缶製造・販売の日鐵ドラム(株)(現・日鉄住金ドラム(株))から同協議会に寄贈されたもの。2001年4月に南山で火災が発生したことなどをきっかけとして地域住民がその後の山火事対策を考える中で、防火用水が必要であるとされ、当時同社に勤務していた現・同協議会副会長の奈良武治さんを通じて寄贈が実現した。

 ドラム缶には雨水が貯まる仕組みになっており、設置時に地元消防団が給水をした後は、常時水が貯えられた状態になっていた。登山者がいざという時に水を汲みとって消火に使用できるように、各ドラム缶の脇にはバケツも吊るされた。

昨年の山火事で活用

 昨年5月、同山山頂付近で火災が発生した時に、そのドラム缶の水が消火に活用された。「あのドラム缶が無ければ、山を上り下りしなければならなかった」と消火にあたった市消防団津久井方面隊第4分団の菊地原誠分団長。その後に行われた地域の防災会議の中で、「老朽化が目立つドラム缶を新しくしたほうが良いのでは」という意見があがり、再び奈良さんを通じて同社に協力を依頼した。それを受けた同社から、サビ止めなどの特殊塗装を施したドラム缶10本が同協議会へ贈られた。

 8月20日、同協議会の構成員である消防団津久井方面隊第4、5分団と鳥屋地区の6分団員、協議会員ら計約50人が、寄贈された10本のうち5本を担いで登山。5カ所に点在する老朽化したドラム缶の脇に新しいものを設置した。

「山林地域の宿命」

 8月27日に第4、5、6分団合同で串川地区の総合防災訓練が行われ、南山火災を想定してポンプ車から山の中腹までホースを延ばす長距離送水訓練が実施された。その際、新しく設置された5本のドラム缶への防火用水補給も行われた。

 「消防団員の人たちには大変な作業をしてもらった。地域の運動の中で、自主的に行った活動ということは意義深い」と奈良さん。菊地原分団長は、「山に囲まれた地域では、そのための防災訓練や対策をしなければならない。周囲に山を持っている人たちの宿命だと思う」と話した。

 同協議会によると、現在串川出張所に保管されている寄贈された残りのドラム缶5本は今後、防火用として津久井湖の南側にある天王山の山中への設置を検討しているという。

ドラム缶を担いで山道を進む消防団員ら
ドラム缶を担いで山道を進む消防団員ら

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