大滝町にあるコミュニティラジオ局「FMブルー湘南」(78・5メガヘルツ)が12月3日(水)、開局20周年を迎える。全国ネットの広域放送と違い、エリアが市や町といった自治体に限定される地域密着型。全国で11番目に誕生し、今では280を超す放送局の中でも先駆けの存在となった。
身近な情報はもちろん、『阿部きみえのカウントダウンカラオケ』や『人見欣幸の音楽三昧』など市民パーソナリティが受け持つ番組も人気。地元ゆかりの渡辺真知子さんや岩崎良美さんをゲストに招いたり、職場体験の中学生を年5〜6校受け入れるなど、地域に根付いたラジオ局として親しまれている。
情報の集約担う
1995年に発生した阪神淡路大震災では、地元のコミュニティラジオが地域に特化した災害情報をリアルタイムで放送し、その重要性に注目が高まった。FMブルー湘南でも、東日本大震災直後に市内の交通・避難所情報を発信。支援物資の提供も呼びかけ続けた。開局以来、パーソナリティを務める石川和美さん=人物風土記で紹介=は、「限定されたエリアだからこそできる発信を心掛けた。強い使命感を感じた」と当時を振り返る。放送を聞いたリスナーから、次々と詳細が寄せられた。「『うちの前の家が停電している』など、電話で教えてくれる。それらをつなげると、本当の被害状況が見えてくる」と石川さん。いざというときの情報が集まる場として認知されている証拠だ。
ネットを味方に
現在、パーソナリティは5人。メディアの普及などにより「ラジオ離れ」と言われて久しいが、震災時の活躍や地元特化型のコンテンツなどが注目され、ラジオの役割が見直され始めている。
運営する横須賀エフエム放送株式会社の富岡浩司社長は「地域密着・開かれた局・市民参加型」をキーワードに挙げる。市内の中学生が、地元企業の社員などに『働く』をテーマに質問する番組などはまさにその3つを体現したものだ。
一昨年からはインターネット配信も開始。ネットを追い風に、エリアの垣根を越えたファン獲得にも力を入れる。
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