「また、明日もおいで」と言える居場所を作りたい――。市内で子ども食堂を運営する市民らが、常設の子ども支援拠点を作ろうと奔走している。道すがら気軽に立ち寄れて、地域の人が親のように見守る「みちおやの家」と名付けた。すでに、池上地域で物件を確保しており、改装や運営の資金をクラウドファンディングで募っている。
ここ数年、国内で広がる「子ども食堂」。貧困家庭や孤食の子どもに、無料や安価で食事を提供する取り組みで、市内でも昨年8月から、市民有志が久里浜・衣笠コミュニティセンターで月1回「Yokosuka子ども食堂」を開催している。活動の中心となっているのが、食生活支援団体「お結」代表の和田信一さん。「子ども支援に何かできないか」と市外から移り住み、団体を立ち上げた。池上地域では、介護施設を使った子ども食堂の立ち上げを後押しし、中学生の学習支援にも携わっている。
「みちおや」とは
定期的に食堂を催す中で「笑顔でご飯を食べ、遊んで帰っていく。ただ、月1回の開催で本当に寄り添うことができているのか」「学校には行きたくない…という話を聞いてあげられても、いつでもおいでと言えない」―と、支援に限界も感じた。
常設の居場所を作りたいと、動き出したときに出会ったのが、ノンフィクションライター北村年子さんの講演。貧困問題に取り組んでいる北村さんの「地域のみんなで子どもを育てる”道親(みちおや)”になろう」「わが子であってもなくても、出会うひとりひとりが守り育てる親に」という呼びかけに、「これだ」と確信した。「横須賀で体現する拠点を作れないか」との想いに、池上で子ども食堂を立ち上げた宮原暁子さん、施設を会場として提供している介護サービス会社の嘉山仁さんらも賛同。北村さんもスーパーバイザー役を買って出てくれた。「食事の提供に加え、自分の家や学校に居場所がない、親に甘えられない子も気軽に立ち寄れる拠り所になれば」と話す。
目標は100万円
池上4丁目にある平屋を賃借し、5月の開設を目指している。室内の改装や設備、運営費用の一部をクラウドファンディングで賄う。100万円を目標に、期限は4月28日(金)まで。運営に関しては、NPO法人化を視野に入れており、和田さんは「まずは続けることが第一。そして、地域の大人が支援しやすい拠点にしていきたい」と話している。
詳細は、HP「Readyfor」のプロジェクト「池上みちおやの家」で検索。
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