あざみ野桜並木 ベッコウタケ病で6本伐採 倒木の危険で、緊急措置
桜の名所として知られるあざみ野2・3丁目の桜並木では6月、一部の桜の木がキノコの病原菌によって根や幹が腐朽する『ベッコウタケ病』に感染していることが判明。青葉土木事務所では、倒木の危険性が高いとして、樹木医と自治会と相談した上で、先月26日までに6本の木を伐採した。
春には多くのソメイヨシノが咲き誇り、桜の名所として親しまれている同所。しかし、40年前に植えられた桜の老木化が進んでおり、全体的に寿命に近づいている。
今回、青葉土木事務所の定期点検によって、発見された『ベッコウタケ病』とは、キノコの病原菌が根元の傷口などから侵入し、樹幹の中心部を腐朽させる病気。枝や葉が枯れないため、風の影響を受けやすいのが特徴だ。感染した樹木には、梅雨の時期に『ベッコウタケ』と呼ばれる黄白色のキノコが見られるが、この時点では腐朽が進んでいることが多いという。
同事務所では、樹木医の診断に基づいて対策を練ってきたが、強風による倒木の危険性が高いとして、急きょ、カリタス女子短大側に近い5本と立ち枯れしていた1本の伐採を決めた。
あざみ野桜並木大量伐採を回避
報告を受けたあざみ野自治会では、近隣住民に対し、回覧板ほか掲示板などで伐採の旨を説明。特に反対の声などは上がらなかったという。野本建夫自治会長は、「伐採は残念だが、安全性を考えると止むを得ない。切りっぱなしにせずに、いずれは若木を植えていきたい」と話している。
ベッコウタケ病に感染した場合、根や土に病原菌が残るケースが多く、時間を掛けてしっかりと根を撤去する必要がある。そのため、すぐに若木を植えることはできず、同所での植樹は来年度以降を予定している。
少しずつ若木を植樹
土木事務所によれば、区内の街路樹は約1万6000本。その多くが病気や根上りなどの問題を抱えているという。
ベッコウタケ病に関しては、過去にも多く発見されており、桜のほかケヤキ・プラタナスなどの街路樹も伐採している。病気を放置すると、老木などに感染する恐れがあるだけでなく、「並木全体の寿命が近づいているので、同時期に多くを伐採しなければならなくなる。それを避けるためにも、少しずつ若木へと入れ替えて保全と再生ができれば」と担当者。同事務所では定期点検を行っているが、地元住民による街路樹の見守りも呼び掛けている。
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