11月11日、青葉区医師会らと開催した、初の地域合同防災訓練で災害対策本部長を務めた 真田 裕さん 昭和大学藤が丘病院院長 65歳
地域連携で築く「病院力」
○…防災訓練の「舵取り」を務める日曜日の朝。開業医や地域のアマチュア無線団体、警察、消防など総勢330人が病院に集結した。自身念願だった初の地域合同防災訓練は「うまくまとめられるか、緊張の連続だった」。生涯のテーマは「地域連携で病院力をつけること」。災害時の地域内連絡手段や医師らとの連携強化。県指定の災害医療拠点病院としてやるべきことは山積みだった。東日本大震災後は、その課題を早急に取り組む思いが強まった。「より困難な状況を想定した防災訓練を毎年行っていく」。強く意思を語る。
○…広島県出身。開業医である内科医の父親の背中を見て同じ道を志した。昭和大学卒業後、21年前、昭和大学藤が丘病院小児外科医に入局。生まれてすぐ、生命の危険が伴う小児医療現場。「今でも当時診た子どもは元気かな、と思い出す」と藤が丘から地域を見つめる。ランチや散髪、眼鏡の調整など、病院近くの商店街でホッと一息。たわいもない話で笑顔になれる馴染み深い場所。藤が丘は自身にとってのホームだ。
○…趣味は家庭菜園。「あの古びた車の感じが何だか好きで」。実は家庭菜園のきっかけは、購入した大好きな軽トラックだった。近所の人に「トラックで農業でも始めてみては」と声を掛けられ、ひょんなことから菜園を始めることに。軽トラックを走らせ、畑に通うのが休日の楽しみだ。荷台に積んだ野菜は「家内に託して料理に」。食卓に並ぶ手作り野菜は格別だ。
○…3年前から医師、看護師のシャツ丈の白衣の着用を導入した。「ロング丈の白衣は、裾が広がり菌の院内感染も広まるのでは」との改善策だった。「地域の病院」として地域交流を深めようと、今夏初めて地元自治会主催の盆踊り大会に参加した。医院名が刻まれた、オリジナルはっぴを製作。自ら羽織り、住民と交流を重ねた。「地域拠点病院」として、あるべき姿を模索し続ける。
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