全国初の夜間中学校「浦島丘中学校夜間学級」(神奈川区)開校65周年を記念し、12月14、15日、神奈川公会堂でミュージカル『よこはまの夜間中学に燈が灯る』が公演される(地域演劇教育集団・劇団ひこばえ主催)。作品の原案は同夜間中学教師が当時作っていた学級通信。その教師は同校で11年教師を務め、現在は青葉区もえぎ野中学校で教鞭に立つ赤田圭亮教諭(60)だ。学級通信を通じて教育の原点を演劇で見つめる。
浦島丘中夜間学級は1948年、漁師町子安浜で昼間は漁師の手伝いをする子どものための学校として誕生。やがて地元のみならず、日本語を勉強したい外国人たちが集う学び舎になった。
今も市内に5校ある夜間中。しかし、浦島丘を含めた2校は生徒がおらず一時閉級。「夜間中の存在意義が知られていない背景もある」と赤田教諭は指摘する。
「生きるための場」
「夜間教師を務めた11年間が私の教師人生の光放つものとなっています」。赤田教諭は86年、浦島丘中教師の傍ら夜間学級に就任し国語と音楽を担当。各教師が夜間教鞭に立つのは月2回ほど。赤田教諭は担当日以外でも生徒の様子がわかるよう教諭日誌を毎日まとめた学級通信『結』を作成。生徒、教師に週一回配布した。始業式での生徒の意気込み、休みがちな生徒を心配する声。何気ない日常がたくさん書かれている。
生徒は7〜8人。高齢の日本人女性や昼間は鉄工所、弁当屋で働く外国人など。「立場、国籍、年齢は様々だが、全員”生きるため”に、ひたむきに学んでいました。生きる場を保証するのが教育なのだと教えられたんです」。校門には夜間中PR看板を設置。日の当たらない教室でひたむきに学ぶ生徒たちの姿を知ってもらおうと、文化祭ではPRビデオを発表した。
赤田教諭は14年春に定年。「まさか当時の学級通信が作品に生かされるとは。教師人生最後の年に教育とは何か、作品を通じて投げかけられれば」と話す。
演劇参加メンバー募集
同作品に出演する小学4年生以上の子ども、大人募集。詳細、申込みは劇団ひこばえ【電話】045・431・5551へ。9月20日締切。
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