体中の筋力が徐々に低下する難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を知ってもらい治療促進につなげようと、あかね台在住の歌唱講師、田崎ルミさんがチャリティーコンサートを企画。11月6日(金)に緑区で開催し、収益金の一部を、ALS撲滅を目指して活動する「一般社団法人 END ALS」に寄付する。
コンサートでは、外資系広告企業で働く田崎さんの娘・尾崎千春さんの同僚で、ALS患者の藤田ヒロさんの思いを歌にした「まぶたの叫び」を披露する。藤田さんは、30歳だった5年前にALSの診断を受け、体の筋力低下により、徐々に動くことや顔の表情、声を失っていった。「もう一度笑顔で感謝を伝えたい」「私はまだ生きている」など、病気が進行する一方で強まる思いを、千春さんが代弁し、歌詞にした。歌を担当する田崎さんは「ALSで同じ思いをしている人は、ほかにもたくさんいる。歌を通じて、活動を知ってもらい、支援につながれば」と願う。
企画のきっかけは約1年前、千春さんから藤田さんの状況や活動を聞いたことだ。3年から5年で命を落とすケースも多いというALSに対し、治療法をいち早く確立しようと、藤田さんが行動を開始。研究機関への働きかけや認知向上などを目的に、「END ALS」を3年前に設立した。現在は人工呼吸器をつけ、唯一動く目の動きをパソコンで音声化してコミュニケーションを取り、活動する。ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授の京都大学iPS細胞研究所・CiRA(サイラ)への寄付活動やPR活動を行うほか、週に1回出社し、仕事も続ける。
状況知り行動
「(藤田さんの)病状が進行していることや、本人だけでなく世界中の患者とこれから生まれるかもしれない患者のために活動していると知り、自分にできる歌で支援金を集めようと思った」と語る田崎さん。
そこで千春さんと、作曲家のたきのえいじさんらと協力し、「まぶたの叫び」を9月ごろに完成させた。職場の会議室で、初めて藤田さんに曲を聴いてもらった際の動画は、フェイスブックなどを通して視聴され、国内外の学校などから「演奏したい」という要望があったという。
田崎さんは「日本では治験の許可が厳しい現実もある。苦しんでいる人が早く利用できるよう、後押しになれば」と話す。
コンサートはみどりアートパークで午前11時から午後5時頃。同曲CDを500円以上の募金で提供するほか、Tシャツや藤田さんの著書を販売する。一般参加者約50人によるコーラスなどが披露され、その後「まぶたの叫び」や、ゲスト出演者による演奏が行われる。当日チケットは1500円で先着順。
詳細はLumi T・M・A企画【携帯電話】080・4187・5500(午前10時〜午後8時)
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