「荏田宿保存会」を立ち上げ、案内用看板を設置した 徳江 俊夫さん あざみ野南在住 67歳
荏田宿の心、未来につなぐ
○…「先祖たちがここで暮らしていたという事実や脈々とつないできたものを形にして残したかった」。大山街道の宿場町として栄えた「荏田宿」を後世にも伝えたいとの思いから、現在も近隣に残っている20軒に声をかけて昨年11月に「荏田宿保存会」を設立。先月、当時の店の並びを再現した案内看板を荏田宿エリア内に設置した。「歴史散策やウォーキングしている人たちに好評で嬉しいね」
○…子どもの頃、荏田周辺はまだ電車もなく246号線もなかったため「文字通り野山を駆け回っていた」。山では栗や柿を採り、川では自作の竿で釣りをした。高校1年の時に、東急田園都市線が長津田まで延伸。荏田のまちも徐々に大きくなっていった。「毎日のように変化していた。それでも今のような状況は想像できなかった」と発展した故郷に感慨深げだ。
○…高校卒業後は家業の八百屋を継いだものの、スーパーの出店などの影響もあり26歳で店を閉めた。就職先に選んだのは郵便局。「配達に来るのを見ていて楽しそうでいいなあと思っていた」と笑うが、長年の勤務中には公社化や民営化を経験し、大きく変化する組織文化を肌で感じてきた。「時代の流れに翻弄された40年間。色々と苦労した」と振り返る。この春には、長年の仕事が認められ郵政業務功労で叙勲を受章。「やっと女房孝行ができた」。思わず表情がほころぶ。
○…退職後、それまでは関わることのなかった自治会活動に従事するようになった。「この歳になって人が好きになってきた」と話し、やれることは何でもやろうと積極的に参加、6月からは副会長を務めている。最近は近隣商店会の花壇作りや清掃活動にも参加。地域の祭りに向けて囃子や太鼓を習うなど、新たなつながりが増え続けている。「毎週小学生に教わっている。小さい子だけど尊敬しちゃうね」。新しいことを知り、新しい人と出会うことに喜びを感じる日々を過ごす。
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