国内最高峰の自動車レース、スーパーGT500クラスで3連覇に向けて戦っている榎が丘在住のロニー・クインタレッリさん(36)=写真。東日本大震災の被災地支援も続け、6月には母国イタリアから勲章を授与されるなど、活躍を続けるロニーさんに、レースに対する熱意や被災地への思いを聞いた。
高性能市販車をベースとした競技専用車両で参戦するスーパーGT。GT500とGT300の2クラスがあり、GT500クラスは最高速300Kmで1000分の1秒を競う。2016年シーズンは4月から11月まで全8戦が行われる。
03年に活動拠点を日本に移し、05年からスーパーGTに参戦。11年と12年、14年と15年にシリーズチャンピオンに輝くなど、近年は圧倒的な成績を残している。13年から日産自動車のワークス・チーム「NISMO」に所属し、松田次生さんとのコンビで「MOTUL AUTECH GT-R」に乗り、今シーズンは開幕戦、第2戦で1位を獲得。現在は第4戦を終え、首位だ。「スーパーGTは自動車メーカー各社が技術を競う場。最高の環境」と話すロニーさん。一方、レース中は常に一瞬の判断を要求され、重力加速度など身体にかかる負担も大きい。ジムに通い、徹底したコンディショニングに努めているが、レース後は「首や腰、おしり、足が痛い」とレースの厳しさを語る。それでも「結果が悪いことはプライドとしても受け入れられない」と話し、「今年はチームとして3連覇、自分としては5度目のチャンピオンとなる大きなチャンス」と意気込みを語る。
被災地支援も
レースで活躍する傍ら、東日本大震災の被災地支援を続けている。「ずっと日本人にお世話になってきた。その恩返しをしたい」と発災直後から行動を開始。企業経営者で友人のマルコ・スタチオーリさんと共にミニバンに食料や衣服を積み込み、3月19日には陸前高田市で避難所を回った。「ニュースで見る以上の衝撃的な光景」に継続的な支援を決意。その行動は「ITALIANS for TOHOKU」と題してイタリアの企業や大使館を巻き込む大きな活動へと発展した。12年には移動図書館車両を陸前高田市に寄贈したほか、現在は建築家・隈研吾氏設計の老人施設を建てようと出資を募っているという。
レーサーとしての実績や被災地支援が評価され、6月22日に在日イタリア大使館でイタリア共和国功労勲章「カヴァリエーレ・ウッフィチャーレ」を授与された。活動の場を広げ、多忙な中だが、「安全運転で」こどもの国に家族で行くなど息抜きも。第5戦は富士スピードウェイで8月6日、7日に開催予定。ロニーさんは日本のファンについて「情熱が素晴らしい。ピュアな応援を感じている。ファンのためにも頑張りたい」と決意を話している。
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