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青葉区 人物風土記

公開日:2016.09.29

荏子田囃子連でお囃子を指導する
金子 英世さん
荏子田在住 58歳

お囃子に一笑懸命

 ○…篠笛に3つの太鼓、鉦が呼吸を合わせて演奏し、獅子舞が踊る。お祭りの華はお囃子だ。新石川の驚神社で10月8日、9日に行われる例大祭に、地元の一つとして荏子田囃子連も巡行する。主役は会員52人の約半分を占める小学生。毎週日曜に荏子田自治会館で続けている練習も本番を前に熱が入る。「子どもが笛を吹き、太鼓を叩き、楽しそうに踊る姿を見てほしい」

 ○…平川地区で農家を営む家に生まれる。お囃子との出会いは桐蔭高専に通っていた16歳の頃。大太鼓を叩き、神輿を担ぐ兄の姿に憧れたのがきっかけだ。稽古を始めるが、最初は篠笛の音が出ない。悔しくなり、兄と必死に練習するうちに腕は上がり、自然と和太鼓も叩けるように。就職先は「地元のお囃子と離れたくない」と横浜北農協を選択。営業の外回りでもお囃子の話で盛り上がり、それが縁で各地のお祭りにも参加。活動の幅を広げてきた。

 ○…結婚を機に、荏子田に転居。しかし、当時の囃子連は高齢化で衰退の一途だった。「荏子田には荏子田のお囃子。200年近く伝わってきたものを守りたい」。責任感に火が付いた。子ども神輿や小学校のおやじの会を通じてお囃子の仲間を増やし、口伝えだったお囃子に、楽譜となる運指表も作成した。活動の基盤が出来上がると、子どもへの指導に注力。和楽の魅力を知り、伝統芸能を守ってほしいとの思いに加え、「演奏できれば成功体験になり、自信になる」と語り、日々上達する子どもたちに目を細める。「将来子どもたちが世界に出る時、篠笛を1本持っていって国際交流してくれたら」と願い、「そしていつか、地元に戻ってお囃子をやってほしい」。

 ○…「一笑懸命」がモットー。楽しみながら、一生懸命にやること。子どもたちに伝えたいメッセージだ。一方、自身は篠笛の奏者として「仮に段決めすれば、自分はようやく初段くらい。『稽古一生』で吹き続けたい」。にこやかに語った。

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