青葉区版 掲載号:2018年9月6日号
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画材「キットパス」のインストラクターとしてハンドスタンプアートプロジェクトの普及につとめる 坂本 千春さん 大場町在住 63歳

描く力で笑顔をつなぐ

 ○…少しの水でなめらかに伸び、体に害のない素材を用いたキットパス。指で描くパステル画の講師を務める中で、画材として興味を持ったのが始まりだった。障害のある人が作っているものだと知り、ほどなくキットパスを活用した「ハンドスタンプアートプロジェクト」に出会う。病気や障害のある子や、その支援者らの手形で1枚の絵を作りあげるという取り組みに賛同し、ワークショップを開くなど精力的だ。

 ○…出身は世田谷区。東京五輪の開催に伴い五輪に関わるコンクールが多かった小学生当時、入賞歴も多々あるが「苦い思い出」と苦笑する。「バレーボールの絵で、選手を1人多く描いちゃったの」。苦肉の策でモップを持たせたその作品が表彰され「後ろめたさしかなかった」。あの時どこが良かったのか教えてもらえていたら――。教える立場となった今、「だから良いところはどんどん言うの」とにっこり笑う。

 ○…学習塾の講師を務める傍ら、ボランティアとして福祉施設でパステル画を10年ほど教えた。認知症の進行で「8年間毎回『初めまして』って言ってくれる人もいてね」。暗い色一色で塗り潰す人の「思いが知りたい」と色彩心理も学んだ。現在は文字に笑顔をおりまぜる「笑い文字」の講師としても活動。「笑顔ってすごく大事。作り笑顔でも明るくなるでしょ」。ありがとう、と書いた笑い文字を、認知症の義母が大切に持っていてくれたことも後押しになった。

 ○…3人の子どもは自立し、夫と2人暮らし。地域の行事に一緒に顔を出すなど穏やかな日々を送る。青葉区で暮らし32年。年齢を重ね、助けられてきた分を返していきたいと言葉を強める。「必要な時に何か提供できるものを持っていたい。みんなが笑顔でいられるようなお手伝いができたら」

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