コラム「学校と社会をつなぎ直す」【7】 +(プラス) オンラインコミュニケーション力 桐蔭学園理事長 溝上慎一
新型コロナウイルス感染拡大の経験を通して、子どもも大人も多かれ少なかれオンライン使用が日常化している。学校ではオンライン授業が、企業等職場ではテレワークの取り組みが加速している。学校教育の新たな課題として、これまで育成が求められてきたコミュニケーション力や問題解決力などの資質・能力に、「オンラインコミュニケーション力」が加えられようとしている。
そもそも人のリアルなコミュニケーションは、言語情報だけでなく、ジェスチャーや声のトーンなどノンバーバル(非言語的)な情報を付随させて営まれている。SNS上での絵文字も文字情報に感情や印象を与えるノンバーバルな情報である。同じ言葉による話でも、声のトーンだけで、まったく異なったコミュニケーションとなるのは承知の通りである。
オンラインコミュニケーションでは、リアルなコミュニケーションなら付随するノンバーバルな情報の多くが抜け落ち、相手が不快な印象を持ってしまうことが珍しくない。それが殺人に至ることもある。今後はこれまで以上に学習、仕事、生活、就活にオンラインコミュニケーションが求められてくる。画面上のコミュニケーションでは、対面の自然な笑いとは違った笑い方でないと相手に暗い印象を与えるという議論もある。情報をより意図に沿った内容で伝えるための技術を身につけていく必要がコロナ禍によって新たに加えられたと言えよう。
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