青葉区 コラム
公開日:2022.10.27
コラム「学校と社会をつなぎ直す」㉓
桐蔭マルシェで地域を育てつなぐ
桐蔭学園理事長 溝上慎一
先月、桐蔭学園キャンパスで「桐蔭マルシェ」を開催した。地域の農家から旬の浜なしや朝採れ野菜が、キッチンカーでおこわやホットドッグ、クレープが販売された。
さまざまなイベントも行われた。例えば、県立あおば支援学校の障害のある子どもたちの合唱である。合唱後、子どもたちが退場するまで来場者の拍手が鳴り止まなかったのは印象的だった。パーカッションワークショップも開催され、地域の人々が音楽を楽しんだ。桐蔭学園も、小学生の合唱、桐蔭横浜大学発の次世代エネルギー「ペロブスカイト太陽電池」等を披露した。
学校がマルシェを開催する意味は、少なくとも2つある。1つは学習である。野菜を買おうとして思ったことだが、味がいいのか、健康にいいのかなどの特色が見ただけでは分からない。説明カードもないわけではないが、それをじっくり読んで買うということにもならない。野菜を見て何を思い感じるか、農家の方々がどこに工夫や苦心をしているかをセミナー等で知識をつける必要がある。知識を通して、ものの見方が変わることを考えたい。もう1つは、ふだん顔を合わせることのない異なる地域のアクターをつなげることである。おもしろい地域活動はたくさんなされているが、広まらないものが多い。人々をつなげていけば、何かが生まれるはずだ。桐蔭学園はそのような地域の知を育て、異なるアクターをつなげる役を買って出たい。
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