もえぎ野小学校に通う5年生の坂野太絃(たいげん)君(11)が今年参戦していたレーシングカート「ロータックス・マックスチャレンジ」シリーズで年間獲得ポイントを1位とし、12月2日からバーレーンで開幕する世界大会「グランドファイナル」への出場切符を手にした。日本代表として3年連続3回目の出場となる。
グランドファイナルは各国・地域のシリーズチャンピオンまたは同程度の選手が招待され、各クラスで競われる。坂野君が参加するのは、昨年から1つクラスを上げた「ミニ・マックスクラス」(10歳から13歳)。同クラスには72選手が出場する予定だ。
クラスを上げたことでエンジンの仕様が異なり、レース中の最高速度は時速114Kmにもなるという。車体の重量も10kg程重くなり、身長135cmと同年代の中でも小柄な坂野君にとってはハンドル操作がハードに。そこで体力作りとして毎朝ランニングにも取り組んできた。
クラスを上げたばかりにも関わらず、今年参戦したシリーズで、オートパラダイス御殿場(APG)では全戦優勝を果たしている。敵無しとも言える坂野君だが、カートレースを続けられなくなりそうな危機も。実は、毎レース後に書いていた振り返りノートを数カ月間書いていなかったことが判明。貴重なデータとなっていたために、これまでメカニックを担当し、二人三脚で試合に挑んできた父・陽一さんから「カートレースも辞めてもいい」と言われるほどの事態になったという。太絃君は「辞めるつもりは全くなかった」というが、これには反省した様子。無事仲直りをし、強豪選手が一堂に会して日本一の座と世界大会の出場権を賭けて行われるシリーズの最終戦「マックス・フェスティバル」でも1位を勝ち取った。
世界大会を前に坂野君は特に緊張しているでもなく、楽しみな様子で「1位を目指したい。頑張ったらいけると思う」とはにかむ。ずっと変わらない将来の夢は「F1レーサーになって世界一になる」。夢に向かって世界に挑む。
![]() レース中の坂野君(©lnagaki)
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