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公開日:2025.12.25

明神町(株)ニューモア
人権ポスターを制作
都内交通機関・学校に掲示

  • 制作したポスターを手にする宮島さん(左)と近藤さん

 明神町のデザイン制作会社「(株)ニューモア」(宮島依子代表取締役)が立案したポスターデザインが、このほど公益財団法人東京都人権啓発センターが発行した「令和7年度人権啓発ポスター」に採用され、12月4日から10日までの「人権週間」に都内の交通機関や学校などに掲示された。

 同センターでは人権問題の普及啓発に役立てようと毎年テーマを決めてポスターを作成し、国際連合が定める「人権デー」(12月10日)を含む人権週間を中心に都内各所に掲出している。ポスターのデザインは毎年、企画コンペを経て決定されており、ニューモアのデザインが採用されたのは3年連続3回目という。

テーマは「子どもの人権」

 今年の啓発ポスターのテーマは「子どもの人権」。デザインには、さまざまな悩みを抱えながらもSOSを発信できていない子どもたちに相談を促すことや、子どもも大人と同様の権利を持つ一人の人間として尊重される社会の実現を目指す内容が求められた。

 このテーマを受け、ニューモアがポスターに込めたのは、悩みを周囲に相談できない子どもの気持ちをまず肯定すること。「モヤモヤしてることはある。でも、『なんでも話してね』っていわれても。」という子どもたちの戸惑いを受け止めることから始まる。「(相談しても)なにもかわらないかもしれない」「わかってもらえないかもしれない」というネガティブな「かも」がある一方で、「それでも話してみたら、ちょっとスッキリするかも」「いっしょにかんがえることができるかも」といったポジティブな「かも」にも目を向けてほしいという思いを込めた。

 また大人に対しても、子どもに一方的に「相談しなさい」と促したり、放任するのではなく、一緒に考える提案や機会をつくることが大人の役割であるとし、ポスターでは「『かも』は、ひとつじゃない。さがそう。」というメッセージとともに、大人と子どもが一緒に光を探るという構図で締めくくられている。

 ポスターのアートディレクターを宮島さん、イラストレーションを同社の近藤小春さんが務めた。宮島さんは「コンペでは会社名が伏せられ、純粋にデザインとプレゼンテーションの内容で決まるため、採用されてとてもうれしい。このポスターが多くの人の目に触れて、悩み苦しんでいる子どもたちや周囲の大人が前向きに動き出すフックになれば」と思いを語った。なおポスターは人権週間以降も、通年用として活用される予定。

 ニューモアは「協働福祉」を掲げて、世代や業種、障害の有無といった異なる属性を超えた協働に取り組むデザイン会社。福祉施設と提携したデザインチームや子ども図工教室などを運営し、11月には小学生や福祉施設の子どもたちの絵を原画に、建設中の「桑都の杜」の仮囲いシートのデザインを担当した。

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