「糖尿病が進行するとなぜ眼が見えなくなるのか」 コラム【47】 悠先生のちょっと気になる目のはなし
糖尿病があり眼科を受診される方は少なくありません。糖尿病が進行した場合、眼が見えなくなることもあるので血糖コントロールが重要です。では、なぜ眼が見えなくなるのでしょうか。
糖尿病は血液中の糖分(血糖値)が上昇する病気で、これにより血管そのものが障害される病気ともいえます。眼の中には網膜という視機能に大切な器官があり、これに栄養を送るのも血管です。糖尿病が進行すると網膜血管が障害され、血管内部の液体成分(血漿)が血管外部に漏れ出ます。網膜の中でも黄斑というモノを見るのに最も重要な場所でこれ(黄斑浮腫)がおきると視力が低下します。さらに網膜は神経ですので一度障害されると浮腫が引いても生き返りません。
また、血管障害により血管の閉塞が起こります。こうなると網膜は虚血状態となり、この場所に血流を送ろうと新たな血管(新生血管)が発生してきます。ただこの血管は非常にもろいので容易に破綻し、眼の中で出血を起こし視力の低下を起こします。さらに進行すると新生血管周囲には増殖組織という膜状のものが出現し、これが網膜を強く引っ張ることで網膜剥離が起こります。
採血でHbA1cという糖尿病の指標が8を超える期間が長期に及ぶとリスクが高まるので気を付けましょう。
市ケ尾町の「梅の木眼科医院」の加藤悠院長が、目を健康に維持するために大切なことを分かりやすく教えてくれるコーナーです(月1回第2週目に掲載)
![]() |
|
<PR>
|
|
|
|
|
|