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青葉区 社会

公開日:2025.06.19

あざみ野在住黒川なおさん
「大切な人を守るために」
水害リスク、絵本で啓発

  • 絵本を手にする黒川さん

 青葉区あざみ野在住の編集・ライターの黒川なおさん(41)が6月13日、子どもたちに向けた防災絵本『川がパンクしちゃった!』(はる書房)を発行した。黒川さんは「自分たちのまちで同じことが起きたら…と、家族で話し合うきっかけになれば」と話す。

 動物たちが暮らすまちで、大雨によって増水した川が一気に氾濫し、住民たちが避難する様子を描いた絵本。地質学の専門家である和歌山大学客員教授・後誠介さんが企画を手がけ、黒川さんは文を担当した。子どもたちが親しみやすい動物たちを登場させながら、川が氾濫する仕組みも物語に沿って分かりやすく解説している。

 本書の絵を手がけた吉田葉子さんは「水害の仕組みを説明するくだりは、注意を促せるよう他の部分と絵のタッチを変えた」と話し、後さんは「大水害が起こる時は、少しずつではなく一気に破局的な事態になってしまう。水害の怖さを知ってほしい」と述べた。

学びと希望を

 和歌山県新宮市出身の黒川さん。後さんは高校時代の恩師で、黒川さんがライターとして独立した後、自著の監修を務めてもらったことで再び縁がつながったという。

 2年前、後さんから2011年に紀伊半島を襲った大水害について書いた書籍を「子どもたちに向けた絵本にしたい」と相談があった。それまでは主にビジネス書が専門で、絵本を作った経験が無かった黒川さんだったが、後さんの思いに共感し挑戦を決意。一から他の防災絵本をリサーチし、どうすれば子どもたちに伝わりやすい絵本になるかを考えた。

 黒川さんは「子どもたちが興味を持って読み進められるように物語仕立てに。災害の怖さを描きながら、学びと希望が得られる絵本にこだわった」と振り返る。

 青葉区内でも鶴見川や早淵川、恩田川などが流れ、水害リスクは他人事ではない、と黒川さん。「一人ひとりの知識が大切な人の明日を守る。この絵本が家族で防災について考えるきっかけになれば」と思いを語った。

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