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公開日:2025.07.10
青葉区四師会
誤嚥性肺炎の知見深める
初の合同講演会
青葉区医師会、区歯科医師会、区薬剤師会、区柔道整復師会から成る青葉区四師会が7月5日、「誤嚥性肺炎予防」をテーマにメロンディアあざみ野で合同講演会を開催した。各師会合同で講演会を行うのは今回が初。
誤嚥性肺炎とは、加齢による嚥下機能と咳反射の低下により、食道から肺に細菌が侵入して引き起こされる病。死因として近年増加傾向にあり、国内では誤嚥性肺炎の年間の死亡者数は第6位に位置している(2020年時点)。それに伴い、予防のための口腔ケアとワクチンの重要性が増している。
同講演会は、増加する誤嚥性肺炎について、青葉区の医療従事者に理解や知見を深めてもらうことを目的に実施。さらに誤嚥性肺炎の対策として口腔ケアが有効であると”長寿の街「青葉区」”から発信していくことを目指すとしている。区歯科医師会の大屋学さんは「各師会で講演会や勉強会を実施することはあっても合同で行うのは、全国的にも珍しいのでは」と話す。
講演では、呼吸器内科分野の権威である迎寛教授(長崎大学大学院医)がさまざまな症例や実験、論文などをもとに、誤嚥性肺炎の危険性や、ワクチンと口腔ケアの有効性を解説。冒頭では、口腔細菌が肺炎(特に誤嚥性肺炎)の発症に深くかかわると説明。ワクチンの他、口腔ケアによる予防の有効性を説いた。また、誤嚥性肺炎は再発を繰り返し、徐々に身体が弱る「負のサイクル」に陥ってしまう危険性を指摘した。
その後、口腔ケアの長所と短所をスライドで説明。ワクチンに比べ抵抗感がない、副作用がないなどの長所を挙げた。しかし、短所として歯科医師、衛生士、看護師によって効果の差が生じることを説明。統一した指導方法の確立の重要性を訴えた。さらに、口腔ケアが医療費削減につながると補足した。また、昨年から呼吸器感染症予防週間が制定されたことに触れ、「啓発活動を広く行っていく必要がある」と話した。同講演会は2部制で、2部では迎教授から引き継ぎ、今井健一教授(日本大学歯学部)が講演を行った。
講演後の閉会の辞で区歯科医師会の村田拓也会長は「こうした多職種連携は非常に重要。誤嚥性肺炎のリスクを区民に周知し、我々医師が健康を守っていくことが大切」と締めくくった。
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