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公開日:2025.08.21

横浜市内保育所
保育士不足で定員割れ
慢性的に厳しい採用

 横浜市の保育所に関する調査によると、今年4月時点で定員割れした市内保育所は1220園中525園。うち1割以上にあたる66園が保育士不足を理由とした。市は採用と定着の両面から支援策を講じるが、経年の数字は横ばいで、改善に至ってないのが現状だ。

 同調査は毎年行われており、今年は人数で181人足りなかった。例年、同程度の園数が保育士不足で園児を受け入れられず定員割れしており、慢性的に不足している状況が伺える。

 全国的にも不足は深刻だ。こども家庭庁が今年3月にまとめた全国調査によると、直近3年程度で人材の不足を感じている施設は全国で8割以上にのぼる。また今年1月の有効求人倍率では、全職種1・34倍に対して保育士は3・78倍(神奈川県3・51倍)と、引き続き高い水準で推移する。

 市内保育所はここ10年間で400以上増加。一方、市内保育士数も毎年増加しているが、需要に追い付いていないのが現状だ。24年度に配置基準が見直され保育士1人が担当できる園児数が減ったほか、来年度から「誰でも通園制度」が全国的に開始されるなど、さらに需要増が見込まれる。

 市内で複数の保育所を運営する法人は、実習生を積極的に受け入れるなど日頃から学校との関係を密にし、採用を安定させてきた。「それでも卒業生の数自体が減少し、新卒採用が厳しくなっていると感じる」と危機感を示す。年度途中での採用はさらに深刻で、「小さな民間保育所はかなり難しいと聞く」と話している。

処遇改善を支援

 市は、保育士不足の一因とされる給料などの処遇を改善しようと、支援を拡大してきた。保育士を目指す学生に対する修学資金の貸し付けは5年間、保育士業務に従事するなど条件を満たすと全額返還免除に。また、採用から10年間は月上限8万2000円の家賃補助を行うなど、様々な施策を講じる。また希望施設に保育士確保コンサルタントを派遣するなど施設への支援も力を入れる。

 市担当者は「複数年にわたり課題を解決する必要があり、一気に保育士を増やすことは難しい。雇用と定着の両面で取組を続けていく」としている。

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