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公開日:2025.12.02

老人クラブ
互助の輪に加わって
重要性増す「友愛活動」

  • 雑談を交わしながら霧が丘公園でラジオ体操をする参加者ら

 緑区にある霧が丘公園で、毎日ラジオ体操の会が開かれている。50代〜80代を中心に、多いときは50人ほど参加者が集まるという交流の場だ。(公財)市老人クラブ連合会の孤独・孤立防止の「友愛活動」の一環で始まったもので、現在は高齢者らの社会参加の場となっている。早朝の地域のたまり場を訪れ、活動の経緯や参加者の声を取材した。

 ラジオ体操が始まるのは午前6時30分。早朝の静かな公園に徐々に人が集まり、参加者の1人がラジオをかけると、全員が一斉に体操を始める。「誰かが仕切っているわけではない。誰でも参加していいので、自然と集まってくるんです」と、20年ほど前から通う80代の女性は話す。約5分の体操が終わると参加者らは散り散りに。雨が降っても元日でも、この光景が毎日繰り返されているという。

 今年の夏から通い始めたという50代の女性は「健康のために始めたけれど顔見知りが増えて、買い物やイベントなど身近な情報を交換する場にもなっている」と話す。高齢者同士の交流などを促すこのような「居場所・たまり場」は各地区にあり、市老人クラブ連合会HPの「友愛活動」のページにまとめられている。

一歩先の見守りへ 

 老人クラブとは地域を基盤とする主に高齢者による自主組織で、横浜市には1315クラブ、7万8020人の会員がいる。このうち6259人が市老人クラブ連合会理事長から委嘱を受けて「友愛活動員」として活動している(2025年4月1日時点)。

 友愛活動とは、霧が丘公園で行われているラジオ体操のような「居場所・たまり場」づくりのほかに、自宅訪問や日常生活の支援などさまざま。高齢者同士で同世代の仲間を支え合うことを目的としている。ところが、超高齢社会を迎え、高齢者の人口が今後約20年は増加を続けることが見込まれている一方で、友愛活動員の数は減少している。同連合会事業課の担当者によると、コロナ禍で外出を控えていた高齢者が自粛ムードが収まった後も自宅にこもっている傾向があり、今まさに友愛活動の重要性が高まっていることを実感しているという。

 同連合会として特に力を入れていきたいのが、自宅にこもりがちな高齢者へのアプローチだ。「元気な高齢者同士が仲良く活動するだけでなく、友愛活動員には一歩先の見守り活動として、『対象者』(一人暮らしの高齢者など)への電話や訪問などに取り組んでいただきたい」と担当者。顔の見える関係性ができれば必要に応じて地域ケアプラザや民生委員などと連携してサポートもできる。

 担当者によると友愛活動への理解度や熱心さは地区によってさまざま。緑区の老人クラブを取りまとめる緑区老人クラブ連合会の平井充子会長は、各クラブの活動の様子を把握するため区内全65クラブの視察を順番に行っているという。「会長として活動の実態を知らないと」と視察を始め、「率直な意見があり学びがある」と現状の把握に努めている。

 「高齢者をどうやって社会につなげていくか。孤立・孤独防止のために力を入れていきたい。日常から支え合う関係性ができていれば災害時にも生きる」と担当者は呼び掛けている。老人クラブへの入会や居場所・たまり場に関する詳細など問い合わせは各地区の老人クラブ連合会へ。

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