長津田の初代領主・岡野家の子孫とされる岡野進さんが9月28日、緑区役所を訪れ開催中の歴史展を鑑賞した。初代領主の次男を先祖に持つ進さんの訪緑は、岡野家にまつわる歴史展を行ってきたいぶき野在住の歴史愛好家の久保田武光さんの熱意で実現した。
「今年は岡野家の祖・板部岡江雪斎の大河ドラマ登場で岡野家に注目が集まった。こうして子孫と巡り合えるのも縁を感じるね」。岡野進さんとの面会を目前に控え、久保田武光さんはしみじみ語った。
きっかけは今年5月、長津田地区センターで開催された「江雪展」。戦国武将・板部岡江雪斎は長津田の初代領主・岡野房恒の父親にあたり、北条、豊臣、徳川家の家臣として活躍した。真田家と領地を争った「沼田領問題」では北条側の重臣として秀吉による調停に臨み、その様子はNHK大河ドラマ「真田丸」でも取り上げられ話題となった。
久保田さんは真田丸を機に江雪斎と岡野家との足跡を知ってもらいたいと長津田地区センターと歴史展を企画。その告知が本紙紙面やSNSで発信されると、大河ドラマで江雪斎を演じた俳優・山西惇さんの目にとまった。山西さんが自身のSNSで歴史展に触れると、その情報は全国に広まり、多くの歴史ファンが歴史展に足を運んだ。
SNS辿り縁つなぐ
これをきっかけに山西さんのSNSをチェックするようになった久保田さんはその後、山西さんのSNSの繋がりの中に江雪斎の子孫と名乗る岡野さんを発見。プロフィールを辿りながら江雪に関する資料を送るなどして接触を試みた。
岡野進さんは江雪斎の長子・房恒の次男で甲府城主・徳川綱重の家老となった成恒の直系子孫。長津田領主は房恒の長男の子孫が家系を継いできたが、平成の初めに途絶えたとされており、進さんは江雪斎の血筋を辿れる数少ない子孫のひとりと言える。現在、(株)大和総研専務取締役として職務にあたる傍ら、岡野家のルーツを探る調査を続け、先祖ゆかりの地を巡っているという。
久保田さんの熱心なアプローチもあり、緑区役所で江雪展(再展示)が開催されている期間中の訪緑がかなった。岡野家の系譜や房恒らが眠る大林寺の資料の展示などを鑑賞した進さんは「詳しい家系図などが確認でき、本家、分家の間でも養子のやりとりなどが随分あったことが印象的だった。これだけの資料を集め分析してくださる方々がいることに感謝しつつ、代々口伝で伝わる先祖の様々な話を次世代へ繋いでいきたい」と語り、久保田さんとの歴史談義に花を咲かせていた。
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