クイーンズスクエア横浜の巨大ツリーの人形を手掛けた 林 由未さん 東本郷出身 41歳
夢を与え、好きを追求
○…職業、人形作家。普段は、チェコ共和国のプラハ在住。今回の仕事のために日本へ一時帰国した。巨大なツリーに飾られた22体の人形たちはすべて手作り。一つひとつに心を込めた。「コロナ禍だが、ツリーを見た人が嬉しい気持ちでクリスマスを迎えられたら」と優しく微笑む。様々な国の子どもや動物の子どもが元気に歌っている様子を形作った。ショータイムには音楽に合わせ人形たちが踊りだす。
○…東本郷出身。1年の大半はチェコにいるが、実家と工房は今も東本郷にある。子ども時代、手先が器用な祖父が操り人形などを作る様子を見て、好奇心が沸き自身でも作るように。美大入学後には、本格的に人形作りを開始。「作った人形にはどんなストーリーがあるのかな」と想像も膨らませた。そんな想像は人形劇の本場、チェコへ27歳で渡る一歩を踏み出させた。「自分の力を試してみたかったんです」と振り返った。
○…もちろん、言葉はチェコ語。人形劇で食べていくため、学びや仕事に没頭した。人形劇の舞台の美術全般を担当。誰よりも努力した。その結果、色々と任せてもらえるようになっていった。通っていた大学院の教授とは議論の日々。ここでの日々が柔軟に対応していく力を育ませた。培った力を作品へとぶつける情熱は今も冷めない。
○…チェコと違い、人形劇が身近とはいえない日本。多くの人に人形劇の世界観に触れてもらいたいと模索を続ける。「今回のツリーの人形も、気軽に見に来てほしい」とはにかんだ。人形作家という職業は、珍しく思われることも少なくないが「好きを追及しているので、ストレスはないですね」と笑顔を見せた。「『私も作ってみたい』と子どもに夢を与えられたらいいですね」
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