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緑区 人物風土記

公開日:2021.05.27

学習ボランティアサークル「みどりパチパチ会」の代表を務める
有賀 勇次さん
西八朔町在住 77歳

「ほっとする、居場所に」

 ○…戦争で父親を亡くした。朝から夜遅くまで働き、女手ひとつで育ててくれた母親に感謝は尽きない。だが、学校から帰ると家で一人ぼっち。「幼心に寂しさもあった」と振り返った。「共働き夫婦が増える昨今、地域で子どもたちの居場所になれる場を作れたら」と、ボランティアで週に1回、小学生に勉強を教える「みどりパチパチ会」を立ち上げた。現在は、約10人の児童が参加中だ。勉強の合間にはおやつタイムもあるそう。「ほっとできる場を長く続けていきたいね」

 ○…母親に迷惑をかけたくないと、高校卒業後すぐに大手電機メーカーに就職。販売代理店と二人三脚で「新商品をどうお客さんに知ってもらうか」をとことん考えた。今では、当たり前の炊飯ジャーや布団乾燥機。「発売当時は『これ、何に使うの』と全然理解されなかったね」と懐かしむ。現場の声に耳を傾け、粘り強く提案を重ね、信頼を得てきた。

 ○…緑区に住み始めたのは約40年前。仕事一筋で、地域との関わりは薄かった。定年後、思い切って飛び込んだ区民向け講座「みどり『ひと・まち』スクール」。地域のために何かをしたい人達が多く集まっていたそう。「刺激を受けたね。ここで『みどりパチパチ会』の具体的なプランが育った」と感慨深けだ。

 ○…地域活動の幅は広い。ハーモニカサークルにも参加。介護施設などを訪れ演奏を披露している。また、10年以上続けているのは、高齢男性が”男の手料理”を作るサークル。家族にも振舞い「妻の評判も上々だよ」とにこり。夢を聞けば「社会人になった孫たちとゴルフに行きたい」ときっぱり。「小学生たちから元気をたくさんもらっているからね。体はまだまだ丈夫だよ」と夢の実現はすぐそこだ。

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