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公開日:2026.06.25
新横浜アグリ王 育てたホンモロコ試食 「横浜ビール」モルト粕を餌に
LED植物工場の開発・導入・運用などを行う株式会社アグリ王(新横浜・徳丸義洋代表取締役社長)と、クラフトビールを専門に生産・販売する株式会社横浜ビール(中区住吉町・高橋智己代表取締役社長)が6月19日、ビール醸造時の副産物を利用しアクアポニックスで育成した室内養殖淡水魚の試食会を横浜ビール本店レストラン「UMAYA」で開催した。
アグリ王が展開するアクアポニックスは、魚の排泄物を微生物で分解し、植物の栄養にして水耕栽培を行う環境制御型の循環システム。屋外と遮断した実験室で運用しており、環境負荷を減らしながら都市部での食料生産を可能にする新たなモデルとして注目を集めている。
両社は、魚粉の輸入依存や産業廃棄物の課題に着目した。横浜ビールでは1回の仕込みごとに約200kgのモルト粕(搾り粕)が発生するが、1日で腐ってしまうため、これまでは有料での処理や堆肥化を行ってきた。
この課題に対し、モルト粕を特殊技術で滅菌乾燥パウダー化し、魚の代替餌として活用する実証試験を推進。アグリ王の室内環境制御型の水槽で2年間(モルト粕の給餌開始は昨年4月)、琵琶湖原産の淡水魚「ホンモロコ」を育成した。
養殖ならではの美点
試食会で提供されたホンモロコは、体長約13cmと大きく成長していたため、骨や鱗が気にならないようしっかり揚げて調理された。カレー塩や山椒塩の味付けのフリットのほか、南蛮漬けで提供。試食した関係者からは「淡水魚特有の泥臭さが全くなく、骨や鱗も気にならない。内臓の苦味も心地よく、白身で淡白な味わいで美味しい」と高い評価を得ていた。試食会に参加した横浜ビールの竹内和人専務取締役は「飲食店としては美味しくなければ絶対に使えないが、このホンモロコは食材として合格だ」と評価する一方、今後の他店への普及には個別急速冷凍による保存性の確保や安定供給といった流通スキームの構築、ホンモロコの知名度の向上が課題であると指摘した。アグリ王の石田健治統括部長は「異常気象による水温上昇リスクに対抗できる室内養殖技術と、この循環のループを広げたい」と話し、気候変動や水不足に直面する農業のインフラ課題解決へも強い意欲を見せた。
試食会終盤では、アクアポニックスで栽培したイチゴと、モルト粕を飼料にして育った平飼い鶏の卵を使った特製チーズケーキもデザートとして提供された。参加者からは「果実感もあって、とても美味しい」と感想が出て、夏頃までにはレストラン「UMAYA」のデザートメニューとして商品化する予定で調整することが決まった。
「花博」視野に
アグリ王は現在、来年開催の国際園芸博覧会での成果展示に向けたアクアポニックスシステムを関連会社・奈良建設株式会社の建築設計メンバーとともに加速させている。石田統括部長は「アグリ王のサーキュラーエコノミーを表現できるよう、しっかり準備していきます」話した。
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