地域にこだまする明るい声、児童「ただいま〜」、支援員「おかえり〜」―。横浜市立勝田小学校の隣に1977年に開設した放課後児童クラブ「勝田学童保育所」は3月31日、44年の歴史に幕を閉じる。同学童保育所の歴史や支援員、保護者らの声を取材た。
勝田小学校が1969年に開校した8年後、周辺地域の理解と協力のもとに「放課後児童健全育成事業」として、児童が帰宅する時間に保護者が労働等で家庭にいないケースに備え「勝田学童保育所」が誕生した。
保育所支援員によると学童保育所は「児童にとっての『第二の家』」と表現し、学校内の放課後キッズは「児童が安全に遊ぶ場所」と区別。勝田学童は共働き世帯の増加を背景に設立し、1990年代のピーク時には55人が通うなど、開所20年程は年間30人程の児童が登録し、通っていた。
支援員はまるで家族のように児童と接し、実の母親、父親と変わらず児童と「遊び、喜び、笑い、叱り」その成長を温かく見守っていた。
誕生日会や七夕まつり、プール遊び、バザー、ボウリング大会、クリスマス会、節分、ひな祭り等季節行事を通し、児童、支援員、保護者の絆を育んできた。さらに、2代に渡り土地を無償提供した小山寿夫さん、40年間おやつの寄付等で協力する近山登さんなど地域住民の応援も児童の成長を支えた。
しかし90年代後半、勝田小学校に、はまっ子ふれあいスクール(※現放課後キッズクラブ)が開設されると同保育所の利用者が減少。さらに、耐震基準等の諸問題から移転を検討したが、費用面もあり存続を断念せざるをえない状況となった。
娘を通わせた田中みずほさんは「お家みたいで温かい雰囲気が預けやすかった」とし、閉所に「残念」と肩を落とす。中学2年で、小学生時代に6年間通った狩野颯太郎君、鈴木杏奈さん、森田沙莉亜さんは「平日は毎日通った。『第二の家』が無くなるのはさびしい」と声を揃えた。
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