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都筑区 人物風土記

公開日:2026.09.03

横浜銀行港北ニュータウン南支店のロビーに2カ月にわたり作品を展示する 江幡 正之さん 大丸在住 84歳

  • 江幡 正之さん (写真1)

絵筆で引き出す街の魅力

 ○…84歳の今でも参加する絵画の会で、年に4回グループ展に出品するが、今回は銀行のロビーとはいえ2カ月にわたる「個展」開催という貴重な機会を得た。9月は都筑区の緑道を、10月は海外旅行で描いたスケッチを展示する。「緑道は難しいんですよね」と苦笑しながらも意欲満々だ。

 ○…千葉県多古町の生まれ。5人きょうだいの末っ子。小学生の頃、子どもの芸術教育に熱心に取り組んでいた池田栄氏が近所に開設した実験的アトリエに通い、芸術との接点を持つ。「モノを観察し、手を動かし、表現する。大人になる過程で大切なことを教えてくれた」と兄のように慕う。池田氏はその後10歳年上の長姉と結婚。正真正銘、義兄となった。大学の建築学科で学んだ後、就職。仕事の関係でパース(完成予想図)のスケッチには携わったものの「絵を描く暇はなかった」と振り返る。

 ○…転勤を機に、友人に勧められ都筑区へ。当時はまだ地下鉄も走っていない「陸の孤島」。それでも夢のあるマスタープランに魅せられた。「住めば住むほど素晴らしい場所」と正しかった決断に満足気。現役時代、ビルやホテルなど「大きな設計」ばかりに携わった反動から定年退職後は「建築の町医者」を目指し、一級建築士事務所を開設した。同じ頃、妻がアルバイトしていた横浜山手西洋館のPRになれば、とスケッチを手掛けたことがきっかけで、7館すべてを描いた絵葉書を依頼され、再び絵筆を執る生活が始まった。

 ○…海外スケッチの展示をきっかけに、「北イタリアや北欧にも行ってみたい」とスケッチ旅行の夢も膨らむ。「風光明媚な場所でなくても自分が良いな、描きたいな、という衝動がある場所を描いてみたい」。気持ちは小学生の頃のままだ。

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