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公開日:2026.10.29
中大横浜海田さん IHに続き国スポも準V 高校歴代5位の好記録
中央大学附属横浜高校(牛久保東)3年の海田悠貴さんが青森県で開催された第80回国民スポーツ大会(国スポ)に、神奈川県代表として少年A(高校2、3年対象)の男子5000m競歩に出場し、高校歴代5位にあたるタイムを叩き出し、夏のインターハイ(高校総体、以下IH)に続いて2位入賞を果たした。
超高速レース
国スポ(旧称・国民体育大会)は、毎年各都道府県持ち回りで開催される国内最大のスポーツ大会で、競技得点の合計を競い合う都道府県対抗形式で行われる。海田さんは「入賞して神奈川県チームに得点で貢献を、と思っていたので、それができてホッとした」と安堵の表情を浮かべた。
レース当日(10月17日)の青森市は最高気温17・9度と涼しく、海田さんは「条件が良いのでペースは速くなる。入賞ラインは19分台に乗ってくる」と分析した。
海田さんの自己ベストはIHで出した20分10秒01。真夏のレースで必死に食らいついた経験と、IH以後積み上げた練習の成果のおかげで、自己ベスト以上の高速レースが予想されても、冷静な心構えで自信を持って臨むことができたという。
レースは予想通り、1Km4分のハイペースで進み、IHを制した小幡千尋選手(長野県・飯田高)を中心に10人前後が先頭集団を形成した。海田さんは「IHよりも辛くなかった。周りを見る余裕があった」と集団の中、落ち着いたレース運びで上位をうかがった。
ラスト1周。徐々にスピードが上がり集団が縦長になる中、海田さんは3位をキープ。残り200m。最後のコーナーで前の2人が飛び出した。
「あの時と同じだ」。海田さんに1年前の記憶がよみがえった。
2025年の南関東大会。IH出場をかけ、5位争いをしていた海田さんは、スパートをかけた前の選手に追いつこうとスピードを上げた直後、歩型が乱れ、一発失格を喫する。この経験が尾を引き、今年のIHまで消極的なレースが続く苦い経験を味わっている。「前に無理についていけば歩型が乱れる」と冷静に自重し、3位でフィニッシュ。その後2位だった選手が失格となり、2位に繰り上げとなった。
顧問の岡本克巳教諭も「トップ争いの2人を追いかけると南関東大会の二の舞になると心配したが、無理に追わず最後まで自分の歩型を崩さず冷静だった」と海田さんの成長を称えた。
タイムは19分43秒73。IHで塗り替えた神奈川県高校記録をさらに塗り替え、再び自己ベストを30秒近く更新。高校歴代5位の好記録となった。
レースは上位9位までがこれまでの国スポの大会記録を更新し、5位までが高校歴代10傑に入った。海田さんがIHで2位に入った当時の自己ベストでは、10位以内にも入れないほどの超高速レースとなった。
人生は掛け算
実は、高校は当初志望していた学校ではなかった。しかし、中学時代に通っていた塾の講師から「人生は掛け算。どんな大きなチャンスが来ても、自分が0だったら、全部0。意味がなくなるよ」と言われた。「進んだ道を正解にするのは自分自身」と海田さんは気持ちを切り替え、「高校生活を全力で頑張ろう」と努力を重ねてきた。競歩は高校から始めた競技。当初は5000mに30分以上かかっていた初心者が2年半で高校歴代5位にまで上り詰めた。
「まさかここまで来れるとは全く思っていなかった。自分自身でも驚きはある。今まで頑張ってきて良かった」と笑顔を見せた。
来年2月に神戸で開催されるU20の選抜競歩大会が高校最後のレースになる。トラックではなくロードが舞台で、距離も10Kmと長いが、「距離とスピードの耐性はついてきた。入賞、あわよくば上の順位で」と夏から積み上げた自信で有終の美を飾る目標を掲げた。
卒業後は明治大学へ進学する。同大は、バルセロナ五輪50Km競歩代表の園原健弘氏が監督を務め、今年4月から2019年の世界選手権で日本人として初めて競歩で金メダルを獲得した鈴木雄介氏が外部コーチを務める。今や日本の陸上競技で「お家芸」ともいえる競歩。春からは自らの選択を正解にした高校3年間を携え、新たな正解を導き出すための船出へと漕ぎ出す。
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