「プロサッカー選手としてピッチで浴びたサポーターの歓声はやっぱり忘れられない。背中を押してくれました」

　そう振り返るのは、上飯田町の「Ｆ・Ｔ・Ａ・Ｒフットサルフィールド横浜泉」を拠点にフットアールサッカースクールを営む臼井幸平さん（44歳）。中田小から中田中に進み、中学時代はベルマーレ平塚（現・湘南ベルマーレ）のジュニアユース（ＪＹ）に所属して日々を過ごした。

　その後、ベルマーレユースを経て、県立汲沢高校（現・横浜桜陽高）卒業後にプロ入りした。

一時はサッカーを離れ

　だが思うような活躍もできないまま、３年目でチームを解雇される。一時はサッカーを離れてとび職なども経験したが、「やっぱり自分にはサッカーしかない」と現役復帰を決意。セレクションを受けて横浜ＦＣに加入すると、心機一転してサッカーと向き合う生活をリスタートした。

　２００８年には再びベルマーレに移籍。翌年にはチームとして11年ぶりのＪ１復帰を果たし、サイドバックとして存在感を示した。

平塚に通う日々

　中学時代は授業が終わると平塚のグラウンドへ。「月曜以外は練習で18時から21時まで。帰ってくるのが23時過ぎというそんな毎日でした」

　小３からサッカーを始めた臼井さん。中１の頃には身長１２８cmと小柄だったという。「フィジカルでは勝てなくても、テクニックには自信があった」。もう１つの武器が持久力。中学のマラソン大会や体育祭では常にトップだったという。

　「中学の時は友達と遊ぶ時間はあまりなかったけど、ボールボーイとしてグラウンドで三浦知良さんらトップ選手を目の当たりにした。自分もここに立ちたいなと、そう感じたのを覚えてます」

　13年に地元で発足させたサッカースクールは今や３００人の子どもが通う。「人生は人のつながりが大事。サッカーだけでなく、そんなことも伝えられたら」と話した。