地域子育て支援拠点「とっとの芽」の施設長 高村 美智子さん 俣野町在住 60歳
母子と成長する戸塚の母
○…「何分間なら子どもを泣かせておいても大丈夫なんですか?」。施設長を務める子育て支援拠点「とっとの芽」で、母親から質問されたことがある。子育てには答えがない。大切にしているのは、「母親の話を聞くこと」。3人の子どもを育てた先輩ママとして、自らの経験から助言することも。「私も、一人目は男の子だったんだけど、よく泣く子で大変だったのよ」。母の顔をのぞかせる。
○…人生の転機は、ドリームハイツにある幼児教室「すぎのこ会」=俣野町=に息子と娘を通わせたこと。親が運営する”手作り幼稚園”として知られる同教室。教育や遊びなどを全て親同士が話し合って決めるため、主体性が求められる。「最初は『こんなことまでやらなきゃいけないの?』ってカルチャーショックを受けました」。しかし、3人の子どもを計6年預け、6年目には会長を務めるまでに意識は変化した。
○…親子で遊んだり、母親同士が仲間づくりをする場所になっている「とっとの芽」。利用者は年々増加し、昨年は1年間で3万人以上の親子が訪れた。同拠点が母親に必要とされている場所だと実感する。「いつも、とっとの芽のことばかり考えちゃう」。自身にとっても同拠点はかけがえのない存在になった。「もし自分が楽に子育てをしていたら、子育て支援はしていません」。子育てに悩んだからこそ、母親の辛さや喜びが分かる。「私が自分の居場所を見つけられたように、この拠点でママたちの可能性を広げてあげたいんです」
○…ピアノ講師をしていた母の影響で音大を卒業。今も拠点運営の傍ら、自宅でピアノを教える。ほかにもPTAや海外支援など、様々な活動をしてきた。行動的で表情豊か。快活な印象だが、「昔から消極的な性格だったんです」。夫からは「昔は俺の方がしゃべってたよな〜」とも。夫婦の会話も変化した。母親を支援しながら、共に成長し、変化を続ける。
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4月18日