今年4月以降に多発した、登下校中の児童らを巻き込んだ交通死傷事故を受け、通学路の緊急安全点検が全国で実施された。戸塚区では6、7月に「スクールゾーン対策協議会」が小学校ごとに開かれ、363件の改善要望が上げられた。現在、改善に向けて検証が進められている。
スクールゾーンとは子どもを交通事故などから守るため、小学校の学区ごとに地域住民や行政機関が協力し、安全な交通環境を整備する特定地域。小学校を中心に、半径500mの範囲をその対象としている。
同協議会にはPTAや学校関係者、町内会役員らが参加し、ガードレールや歩道、交通標識が十分かなど、状況の確認を行う。同協議会で上げられた改善要望は内容ごとに区地域振興課、警察署、土木事務所に担当が振り分けられ、それぞれで現地の検証をし、対応を決めていく。
今年の改善要望は昨年から16件増の363件。戸塚警察署が担当となる速度規制などの要望が30件以上増加している。「今年4月以降に多発した交通事故を受け、参加者の関心も高かったようだ」と同署交通課。 土木事務所では、ガードレールや歩行者空間を確保するためのカラーベルトの設置などを、区地域振興課では緑色の電柱巻標識や道路の路面標示などを担当している。「時間はかかるが、補修については年度中にすべて実現できるよう順次進めている」と同課。
速度規制求める声も
標識やガードレールなどの設置のほかに多く上がっているのは、速度や一方通行などの規制を新たに設けてほしいという要望だ。
速度規制の要望が出ている箇所の一つに東品濃小学校周辺の通学路がある。登下校時は近くにある環状2号線やJR東戸塚駅への抜け道として交通量が増えるという。危険な運転をする車やトラックなどの大型車も通り抜けるため、速度規制など、改善を求める声があがっている。
同小付近では、駅に向かう自転車も多く、過去には歩道を走る自転車と児童が接触する事故もあったという。田中三代子校長は「雨の日などは特に混雑し、危険な状況」と話している。
検証と同意が必要
速度規制の案として、今年9月に神奈川県で初めて導入された「ゾーン30」も話に出ている。
ゾーン30とは道路ごとではなく、住宅地域などのエリア一帯の制限速度を時速30キロにし、歩行者などの安全を確保するもの。県内で現在設置されているのは横須賀市内の4カ所。神奈川県警によると今後、横浜市内に22カ所、川崎市内に5カ所の設置が決まっているという。
設置には、現地での検証と合わせて、周辺住民の同意も必要となる。
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