日立横浜理科クラブの理事長として子どもたちに理科の楽しさを伝える 平塚 重利さん 旭区在住 70歳
「まずは興味持てるように」
○…(株)日立製作所の元グループ社員が戸塚町の同社敷地内に立ち上げた日立横浜理科クラブ。子どもたちの理科離れが叫ばれる昨今、理科やものづくりの楽しさ、素晴らしさを知ってもらおうと31人でスタートした。4月に行われた開所式では各関係者らから期待の声を寄せられ「責任の重さを感じている」というが、「40年間、この地に働きながら、地域貢献をしていなかったからね」と、地域への恩返しを誓う。
○…秋田県出身。兄妹5人の次男として「親に言わせると『一番わんぱく』」な幼少期を過ごす。中学時代の将来の夢は機関士。昼休みに学校を抜け出して蒸気機関車に乗せてもらったことも良い思い出だが、待っていたのは当然おかんむりの教頭だった。大学では当時の鉱山学部に属し、卒業設計のテーマは鉄道車両の台車。旧国鉄の技術研究所に出向き、脱線事故の解明等にも関わった。
○…(株)日立製作所への入社は昭和41年。配属は旧戸塚工場だった。長兄が地元を離れ、家の後継ぎと目された中で上京を許してくれた両親には今でも感謝している。27歳で同郷の夫人と結婚。リタイヤ時には、卓球経験の豊富な夫人に道具一式を贈られた。仕事一筋だった大黒柱への「これからは一緒に」というメッセージだったのだろう。2人の子は独立し、孫が2人。「とにかく(孫に)会うのが楽しみ」。しっかりと手帳に記してある誕生日が今から待ち遠しいといった様子で相好を崩す。
○…「理科は実験があってこそ楽しいもの」が持論。まずは7月から区内の6地区センターで児童らを対象に開く「ふしぎ発見理科ひろば」の成功に向け準備を整える。「部品ひとつ、ネジひとつ不要なものはない。子どもたちに、まず、それらに興味を持ってもらいたい」と力を込めた。「(子どもたちが)ふらっと立ち寄って『おじさん、これ教えて』って」。そんな存在になりたいと願っている。
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4月18日