戸塚区は今年1月から、野良猫の保護活動に携わるボランティアの登録制度「とつかTOTSUCAT(トツキャット)」を開始した。登録したボランティアと共に、不妊去勢手術などを行い、徐々にその数を減らしていく取り組みだ。8月21日から30日までは区役所で、制度をPRする展示も開かれた。
これまで区内には野良猫の保護活動を行う特定の団体がなく、個人がバラバラに活動を行っていた。区は行政と個人間の連携を深めることで効果を高めようと、この制度を開始。横浜市では珍しい取り組みだという。
現在、区内の13人がボランティアメンバーとして登録されている。具体的には「近所の野良猫の管理をしたい」「不妊去勢手術をしたい」といった問い合わせに対し、区職員がボラメンバーと共に現地に赴いて状況を調べ、必要に応じて捕獲を行い、不妊去勢手術を受けさせるため動物病院まで運搬する。
制度の開始以降、これまで月5件ほどのペースで現場に訪れているという。
手術費には補助金も
手術費用については、横浜市が1頭につき上限5000円で補助金を支給している。しかし制度上、依頼者本人がいったん支払いを行う必要があるほか、5000円を上回る部分については依頼者本人が負担しなければならないなど、課題もみられる。
戸塚区生活衛生課の担当者は「自己負担が必要なことや、動物病院によって手術費用が異なることなどを、まずご理解いただく必要がある。『野良猫に困っている』という相談に対しては、丁寧な説明から行っていきたい」と話す。
生活環境向上を目的に
区役所で行われた展示では、制度PRのほか、手術済みであることを示すために猫の片耳をV字にカットすることや、猫を捕獲し手術するまでの活動を写真付きで紹介した。
「私たちの活動は、誤解されることも多い」と話すのは、ボランティアメンバーの一人、齋藤紀子さん。猫に餌を与えていると「また野良猫が増えてしまう」などと指摘されることもあるという。しかし決まった時間に適切に餌を与えることは、猫がうろつきゴミを漁ることを抑えられるほか、トイレの設置や清掃を行うことで糞尿の被害も抑えられることから「適切な管理に取り組んでいることを、こうした場でお知らせできたのは良いこと」と話す。
同課によると、猫に関する区民からの相談は昨年度、200件程度あったという。多くは、糞尿など衛生に関するものだ。同課の担当者は「まずは住民の生活環境を守りたい。その上で飼い主が責任を持って終生飼育をしてもらうことや、不妊去勢手術の必要性を訴える必要がある。飼い主のいない猫を増やさないようコントロールしつつ、共生していくような社会を目指していきたい」と話す。
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