戸塚区内の今年の振り込め詐欺被害件数が過去最多を更新し続けている。これを受け、戸塚警察署は11月から対策を強化。全署をあげて詐欺被害撲滅を目指す。
区内の振り込め詐欺の件数は11月9日現在96件で、被害額は約2億1000万円。過去最多を更新した昨年の年間件数44件、被害額約9800万円を大幅に超えて増え続けている状況だ。
9月には、区内の80代女性が3000万円を騙し取られる事件が発生。長男を騙る男から「かばんを盗まれ支払いができない」と電話があり、その後上司を名乗る男に現金を渡した。
区内で多い手口は、このように電話で息子や孫を名乗り金銭を振り込ませるものをはじめ、自宅にキャッシュカードを取りに来たり、ATMへ誘導し、加害者の口座に振り込みさせる還付金詐欺など多岐にわたっており、特に偏った傾向はみられないという。
戸塚警察署はこの状況を受け、この11月からさらに対応を加速。部署を横断し「全署体制」で、被害撲滅に当たっている。
同署ではまず、被害の発生が多い曜日等の傾向を分析。その曜日に無人ATMやコンビニなどへ私服警察官を配置し、高齢者による振り込みの未然防止や、だまし取ったキャッシュカードで金銭を引き出そうとする犯人の警戒に当たっている。
また署員でエリアを割り振り、各家庭の固定電話へつぎつぎと連絡し、振り込め詐欺への注意を喚起している。同署担当者は「年末は増加傾向にある。被害に遭う人の多くは『自分は大丈夫』と思っていたので、他人事と思わず注意を」と話す。
21件未然防止
振り込め詐欺の被害を防止したとして11月2日、みずほ銀行戸塚支店職員の大田美恵さんと踊場駅前郵便局職員の富田あゆみさんがそれぞれ、同署から感謝状を受け取った。ともに預金を引き出しに訪れた高齢者に対し、積極的な声かけを行うことで詐欺が発覚した。
区内の金融機関では現在、高額の引き落としがあった場合はすべて用途を聞き、警察署に報告する体制となっており、今年に入り21件の未然防止につながっている。
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