新型コロナウイルスの再拡大を受け、政府は1月8日、緊急事態宣言を発令した。不要不急の外出自粛で人との関わりが減少し、情報過多のなか危惧されるのが、心のバランスが崩れる「コロナうつ」だ。本紙では600床の入院設備を持つ精神科病院で横浜市から認知症疾患医療センター指定も受ける「横浜舞岡病院」の加瀬昭彦院長に、宣言下でのメンタル面のケアや心構えなどを聞いた。
--精神科医から見てメンタル面での心配点はありますか。
「一般的に言えることとしてはやはり、閉じこもりがちの生活を余儀なくされた”気分”への影響です。いわゆる抑うつ気分だったりだとか、ストレスを発散する場所がなくてフラストレーションがたまってしまうだとかがまず挙げられます。閉じこもってしまうと生活リズムが乱れ、スマホやゲームにのめり込んでしまうこともあり、それが依存症へのきっかけにもなりかねません。
あともう一つは、とくにご高齢の方、人との関わりが乏しくなってしまうと、認知機能への悪影響も考えられます。物忘れがあるものの日常生活に支障がない、いわゆる軽度の認知症状の方が悪化した話が昨年の緊急事態宣言下でありました。認知機能の維持には、コミュニケーションを取り続けることが重要です」
--自殺者が増えていると聞きます。”コロナうつ”でしょうか。
「コロナうつは病名ではありませんが、メカニズムとしては考えられます。とくに産後はうつになりやすく、面会ができずサポートがない、相談したくても会えない状況には注意が必要です」
「適度な運動を」
--ケアの方法は。
「できるならオンラインででもコミュニケーションを取り、難しい場合は電話などを活用して、自分の不安を解消するように心がけてください。一言もしゃべらずに一日が終わってしまう人もいますが、それはまずい。人と関わるように工夫を。
また、適度な運動はメンタル面にとてもいいです。規則正しい生活、食事、睡眠、生活リズムを整えることが大事です」
--日々のニュースで不安になっている方がいます。アドバイスを。
「コロナそのものは、もともとあったウイルスです。テレビにかじりついて、感染者が何人出たなど、数字に一喜一憂するのはよくありません。重症化しやすい高齢者などは気を付けなくてはいけませんが、恐怖をあおるような情報に振り回されてはいけません。もしコロナにかかっても責任を感じすぎないように。かかろうと思ってかかる人はいません。周りの人も理解を。コロナは『正しく恐れる』ことが大切です」
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