上倉田町在住の早瀬勇さん(86)が、日本とドイツの交流強化に尽力してきた功績を認められ、8月20日に外務大臣表彰を受賞した。早瀬さんは「1人では成し遂げられなかった。励みにしてこれからも両国の交流に関わっていきたい」と喜びを語っている。
日本と諸外国との友好親善関係の増進に貢献をしている人の中で、とくに大きな功績を残した個人や団体に贈られる外務大臣表彰。今年度は個人が177人(国内在住者22人)選ばれている。早瀬さんは日独の交流などに貢献した6人の受賞者の1人として、サッカー元日本代表の長谷部誠選手などと肩を並べた。
半世紀の活動認められ
半世紀にわたり、日独の相互理解の促進に努めてきた早瀬さん。ドイツとの出会いは29歳のとき。旧東京銀行(現三菱UFJ銀行)に勤めていた際に、1年間の語学留学を経験。
その後は各国の支店へ勤務し、40年前の帰国時に区内へ越してきた。為替の専門家として国連の天然ゴム市場に関する会議で政府代表代理を務めるなど、国内外で活躍。その経験もあり、大学から声がかかり2001年からは石川県金沢市の大学で教授を務めた。
その間、05年と06年に日独両政府が推進した相互理解を深めるキャンペーン活動に協力。当時学長を務めていた金沢星稜大学主催で、ドイツの大学や企業から要人を招き、経営フォーラムを企画した。
大学教授の役目を終え、10年からは駐日ドイツ大使館からの要請で設置された横浜日独協会の初代会長に就任。両国の中小企業を招いたセミナーやハンブルクから来日した日独の親善大使の歓迎会の主催など、さまざまな場面で両国の交流強化に尽力。現在は横浜日独協会の名誉会長と全国日独協会連合会の副会長も務める。区内でも自宅で妻とともにドイツ料理の講習会を行ったり、所属する小田急分譲地自治会でドイツの近況を語ったりして、地域住民からも親しまれてきた。こうした長年の多岐にわたる活躍が外務大臣表彰受賞にいたった。
早瀬さんは「これまで多くの支えてくれた人がいたから受賞できた。国と国の関係性は政府間のやり取りだけでなく、一般市民の歴史的背景を超えた交流がなければ成熟しない。これからも日独の交流に貢献したい」と語っている。
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