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公開日:2023.11.23

きょうは「いいふみの日」
切手収集家が魅力語る
文化、歴史知る“最小の新聞”

  • 切手コレクションを持ち笑顔の青木さん(上)/海外の文通友達から送られてきた手紙と新聞

  • 実際に発行された特殊切手「日本映画」

 きょう、11月23日は「いいふみの日」――。矢部町在住の青木圭志さん(81)は各国さまざまな切手を収集することを趣味の一つとしながら、初の日本映画切手を発行に関わった経験も持つ。青木さんに、手紙や切手のおもしろさを聞いた。

 「いいふみの日」は、1979年に郵政省(現日本郵便(株))が、手紙が持つ文学文化を次世代に継承させようと語呂合わせで制定したもの。

 青木さんは、これまでの文通経験を振り返り「筆跡を通して相手の人柄を感じたり、紙の質でその国の経済状況がわかったりする」とおもしろさを語る。さらに、切手については「小さな一枚の紙だけでその国の文化や歴史、時事問題などが一目でわかる」と目を輝かせた。世界情勢を把握できる"最小の新聞"とも言えるだろう。

 今でも海外の人と手紙を交わすときには、浮世絵などが描かれた日本文化の伝わる切手を使用することが多いという。

文通で見えた世界

 青木さんは小学5年の時、叔父が集めていた国内切手の美しさに魅せられ、自らも収集のため中学から県外の同年代と文通を始めた。「切手の集め方を知らなかったから、手紙しか思い浮かばなかった」と笑う。

 やがて、興味はデザインや形が豊富な海外の切手に移り、国外の人とも文通を始めるようになる。日本語の文章を中学の英語教師と共に英訳し、船便で送ると3、4か月の時を経て返事が届く。ミサンガやバッジなど贈り物と一緒に返ってきたり、文通の様子が海外の新聞に取り上げられたりしたこともあった。

 しかしある時、ハンガリーの少女と音信不通に。青木さんは、ハンガリー動乱に巻き込まれたのではないかと推測する。「遠い国のことでも、自分のことのようにに辛かった。その時から、戦争は本当に嫌なことだと思っているよ」

日本映画題材に初発行

 再び切手収集に目覚めたのは、社会人になってから。カメラマンとなった青木さんは、海外での仕事のたびに、特に俳優やワンシーンなどを切り取った「映画切手」のコレクションを始めた。

 そんな中、日本には映画切手がないことに気づく。「ならば、自分で作ろう」と青木さんは、俳優・映画の選定を行い、写真の使用許可を得るなど約1年間、初の日本映画切手製作に奔走した。

 青木さんの熱意は、所属していた日本映画撮影監督協会や、雑誌・新聞記者のインタビューによって各国の切手収集家などにも伝わり、当時の郵政省の許諾を得て、2006年10月10日に発行された。日本映画を題材に20作品が一度に集まって発行される切手は日本で初めてのことだった。

 青木さんは「そろそろクリスマスカードを買わなきゃ。どんな切手で送ろうかな」と楽しそうに語った。

読者プレゼント

 タウンニュース読者限定で、青木さんが作成した「日本映画100年記念切手型シール3種類セット」を抽選で3人にプレゼント。応募は【1】名前【2】住所【3】電話番号【4】当紙面への感想・意見を明記し、〒244─0803戸塚区平戸町259「切手型シール係」へ。11月30日(木)必着。当選発表は発送をもって。※切手型シールのため、郵便には使用不可。

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