セーフコミュニティ 区民の8割「知らない」 アンケートで明らかに
栄区役所は先ごろ「平成25年度栄区民アンケート」の集計結果を発表、区民の生活などへの意識が明らかになった。防犯や防災などへの意識の高さが見られた一方で、区が昨年国際認証を取得した「セーフコミュニティ」に対して、取り組みや認証取得について知らないと答えた区民が約8割にのぼることも分かった。
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栄区民アンケートは、地域の生活環境や自然環境、福祉・保健といった身近なことについて区民から意見を聞くもの。5年に1度実施されている「栄区民意識調査」を補完する役割を持ち、区民の意識変化を継続して把握する目的で行われている。
アンケートは昨年11月14日から12月13日の間に実施。住民基本台帳から無作為に抽出した区内在住の20歳以上の人、1500人が対象で763件の回答を得た(回収率50・9%)。質問は生活環境や環境、区の魅力・活力づくり、健康・医療、高齢・障害についてなど全31問。
防犯・防災対策を重要視
生活環境等について特に力を入れた方がいいことでは、「防犯対策」「病院や救急医療、地域の保健・病気予防対策」「防災対策」という回答がそれぞれ300件を超えている。この3つは昨年度のアンケートでも上位を占めており、区民の関心が高い。また、防災対策についてでは、「携帯ラジオ、懐中電灯の用意」「飲料水の備蓄」をしている人が7割を超え、震災時の避難場所となる「地域防災拠点」がどこか知っていると答えた人が592人で全体の77・6%にのぼった。
自分が住む地域の道路・交通環境や利便性についてでは意見が割れた。「とても便利」「やや便利」と答えた人は全体の35・8%。一方で「不便」「やや不便」と答えた人は35・4%と、便利に思う人と不便に思う人がほぼ同じ割合となる結果だった。
認知度アップに区も後押し
今回のアンケートでは昨年の「セーフコミュニティ」の国際認証を受けて、この取り組みあるいは、区が国際認証を取得したことを知っているかという質問が初めて盛り込まれた。この質問で「知っている」と答えた区民は86人。反対に「知らない」と答えた区民は644人にのぼり、全体の84・4%を占めた。
「セーフコミュニティ」とは、”事故やけがは原因を究明することで予防できる”という考えのもと、地域ぐるみで安全・安心なまちづくりへ取り組む地域のことを示す。世界保健機関(WHO)が推進する活動で、栄区では2010年から認証へ向けた活動を始めて、昨年10月に国際認証を取得している。
同アンケートの結果を受け、栄区区政推進課では「まだ区民に『セーフコミュニティ』という言葉が浸透していないのが現状。今後、『セーフコミュニティ』の言葉を広めていくことで地域で取り組まれている様々な安全・安心の活動が、互いにつながりや広がりを持つよう推進し、誰もが安全・安心を実感できる栄区にしていきたい」とコメント。
今回の区民アンケートの結果は区役所ホームページから閲覧することができる。
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