笹下釜利谷道路の立体化が原因で活気を失った金沢文庫ふれあい商店街とすずらん通り商店街。60周年を迎えた二つの商店街は再び活気を取り戻そうと、「負の象徴」である陸橋の下を利用しイベントを開催する。
60周年記念イベントは9月28日(土)と29日(日)、笹下釜利谷道路の高架下の「ふれあい広場」で行われる。区内外のミュージシャンや和太鼓、ダンスチームなど13団体が出演し、パフォーマンスを披露する。
盛況だった朝市
ふれあい商店街(旧金沢文庫中央商店街)は1952年に活動を開始した。現君ヶ崎交差点から京急線を踏切で越え、現西口バスターミナルまでの約300mの「中央通り」を中心に、約80店舗が軒を並べていた。すずらん通り商店街は現在の場所に翌年53年に設立。金沢文庫駅の降り口は当時東口のみで、降車した人々は二つの商店街を通り、買い物をしてから帰っていたという。
両商店街が共同で行った79年の朝市は、1度に28店舗出店し合計390万円の売り上げを生むなど、盛況を極めていた。
商店街の分断
93年、笹下釜利谷道路の立体化事業が行われた。京急線をまたぐ踏切が閉鎖されたため、商店街の中心であった中央通りは東西に分断。拡幅も同時に行われ、道沿いの商店は移転を余儀なくされた。
さらに金沢文庫駅の西口が新しく生まれ、京急線西側の住宅地開発やシーサイドタウンの振興も相まって、人口が分散。商店街の衰退が進んでいったという。
商店街を分断し過疎化の原因となった「負の象徴」ともいえる笹下釜利谷道路の陸橋。「陸橋を有効利用して、もう一度商店街を盛り立てたかった」と、ふれあい商店街の金澤功会長は話す。この陸橋下の空間で昨年11月、初めて二つの商店街が、共同でライブコンサートを行った。以来毎月、金沢区内外の音楽アーティストが金沢文庫駅に集まり、演奏を披露している。
金澤会長は「60周年を機に新しい動きが生まれている。イベントを通して、両商店街が昭和の活気を取り戻してほしい」と語った。
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