2012年4月より閉鎖していた椿ヶ丘簡易郵便局(富岡西)が2月24日、約2年ぶりに業務を再開した。周辺住民にとっては念願の業務開始。当日は朝から、利用者の姿が見られた。
「待ちに待っていた。再開はとってもありがたい」。開局当日、業務開始とともに同局を利用した山岡和子さん(75・富岡西在住)は笑顔で話した。山岡さんは閉局中、バスを使い、杉田郵便局まで足を運んでいたという。
一時閉局する以前、約40年間局長を務めてきた後藤佳子さん(80)は、「新しい局長が見つかり、ほっとしている。皆さんにご不便をかけていた」と話す。
簡易郵便局は一般的な郵便局とは異なり、個人事業主や法人に日本郵便が業務を委託する形態をとる。局長が辞めた場合、後任を公募する。同局も募集を続けていたが、約2年間決まらなかった。
再開を望む住民の声は多く、富岡第一地区連合町内会(夏目重雄会長)は、金沢郵便局に要望を出していた。定例会で再開決定の報告があった瞬間は、大きな拍手と歓声が上がったという。
局長に就任した北川浩子さん(53)は「開局の準備中、住民の方が『待ってました』と声をかけてくれた。これから頑張っていきたい」と話す。
約40年前に設置
富岡西地区は、富岡郵便局や杉田郵便局いずれにも距離があり、簡易郵便局が必要とされていた。初代局長の後藤さんは、当時郵政省に勤めていた夫に勧められ、開局を決意。一日平均で約60人が、同局を利用していたという。「地域の人との交流が楽しかった」と振り返る。
しかし閉鎖直前は耳が遠くなり、業務にも支障が出始めていたという。「もっと続けてくれという声も聞いていたが、潮時かなと思った」と思いを明かす。
新局長の北川さんは静岡県出身。「元々郵便局の仕事をしており、楽しいと思っていた。主人とは『定年退職したらふたりで楽しく郵便局をやろう』と話していた」という。
そんな折、椿ヶ丘簡易郵便局が局長を募集していることを知り、応募。「主人の定年はまだだが、良い機会と思い、静岡から引っ越してきた」。今後は、北川さんと妹2人、息子、そして後藤さんの5人体制で営業していく。
同局では、郵便局と同じく、郵便、貯金、為替、振替、保険などの基本的な窓口業務を行う。
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