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公開日:2015.09.03
アサバアートスクエア発
ネパール支援へ、一歩
車椅子寄贈 学校再建も
今年4月に大地震が襲ったネパールの復興を支援しようと、アサバアートスクエア(金沢町)の浅葉和子主宰(73)らが活動を開始した。8月2日から12日に現地を訪問し、国立病院に車椅子5台を寄贈。学校再建のため募金活動を始めるなど、長期に渡る支援活動の第一歩を踏み出した。
アサバアートスクエアで、数年前に始まった曼荼羅(まんだら)教室。そこで講師を務める、チットラカール・ディポックさんはネパールで800年続く曼荼羅絵師の家系だ。発災直後に現地を訪れ、物資を供給するなど支援を始めたチットラカールさんに、浅葉さんは現地の様子を聞いていた。もともと学校に行けないネパールの子どもを支援していたこともあり、「学校の約90%が崩壊し、トラックや重機が乏しい中、手作業でがれき撤去をしていると聞いて、役に立ちたいと思った」ときっかけを振り返る。当初は、訪問しても良いものか悩んだが、「ネパールは観光収入がほとんど。人が来ることが光、それが支援になるんだと聞いて決心した」
2人を中心に教室の生徒ら6人で現地へ飛んだのは8月2日。翌日には国立病院を訪れ、NPO団体の協力を得て用意した車椅子5台を寄贈した。「車椅子は高価だと聞いた。被災や怪我をした人へ送ろうと決めた」と話す。
寺院や遺跡が集まる世界遺産、首都・カトマンズのダルバール広場で見たのはがれきの山だった。屋根や塔部分が崩れ、土台のみが痛々しく残る歴史的建築物。「大切な財産が失われてしまった」。カトマンズを拠点に東側から西側まで数々の寺院や村を訪れたが、いまだがれきの山が広がり復旧作業が進んでいない現状をみた。「シャベルや荷車でがれき除去をしている状況」。普段なら観光客で賑わうヒマラヤ山脈の玄関口も閑散としていた。
しかし、立ち上がれないような事態に直面しても、淡々と営みを続ける現地の人々の表情が印象的だったという。「悲惨さをあまり感じさせなかった」と感想を漏らす。道々で集まり祈りを捧げ、寄り合ってこれまでの日々を反省し今後どう生きるか話し合う――。「信仰心を益々高め、皆で協力して乗り越えていこうという姿勢を強く感じた」。人々の力に感銘し、帰国した。
教育現場の復興目指す
「一番大事なのは子どもが教育を受けられる場所」。現地に学校を再建することを最終目的に掲げる。
7月4日には第一弾として、金沢白百合幼稚園のホールを借りチャリティーコンサートを企画。太鼓奏者・大倉正之助さんや、ミュージシャン・おおたか静流さんによる演奏、チットラカールさんによる現地状況の講演などを行った。集まった人数は約250人。支援金は64万円に上った。「これを元手に学校を建て直したい」と奮起する。直接支援の手が届くよう、候補校も自分たちで探し、すでに2校に絞っている。
9月20日(日)に行う「金沢文庫芸術祭」でも支援ブースを設ける予定だ。現地で目の当たりにした光景を写真で展示。講演や募金も行う。「細く長く続けていければ」と決心を固くした。
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