柴漁港 ホタテ養殖に本腰 新たなブランド構築を
横浜市漁業協同組合柴支所は11月10日と17日、ホタテガイの稚貝を2回に分けて仕入れ、蓄養を開始した。2013年から実施しており、今年で3回目。段階的に枚数を増やしてきた。関係者は漁業閑散期である冬場の新たな収入源として期待をかける。
今年、青森県から購入したホタテガイの稚貝は昨年の倍となる4000枚。南部市場を経由し朝7時ごろ柴漁港に届いた。低温で仮死状態の稚貝を、神奈川県水産技術センター(三浦市)の職員の指導の下、東京湾の水温に慣れさせるための「馴致(じゅんち)」が行われた。馴致は10分ごとに2℃ずつ水温を上げ、海水と同じ17℃にまであげていく作業で、致死率の改善につながる大切な工程だ。その後、5層のカゴに稚貝をいれ、漁港近くの海中に設置した。
稚貝の収穫は北海道や東北地域に比べて数カ月も早い、来年2、3月を予定。宍倉昇支所長は「東京湾は水温が高く、プランクトンなどの栄養が豊富な環境のため、成長が早いと言われている」と話す。ホタテガイ自体は決して珍しくない魚介類だが、ゆくゆくは「青森生まれの横浜育ち」として、広くPRしていきたい考えだ。
冬場の収入源に
柴支所は数年ほど前から県水産技術センターに相談しながら、漁の閑散期である冬場にできる事業を模索してきた。その中の一つがホタテガイの蓄養。ホタテガイの生息水温は5〜22℃のため、夏に水温が高くなる東京湾では1年を通じた養殖はできないが、短期間で大きく育てられるメリットがある。
試験養殖を開始した13年には稚貝500枚を入荷。1割ほどの死亡率で概ね成功したため、翌年は2000枚、今年は4000枚と順調に個数を伸ばしてきた。「柴漁港と言えば、シャコやアナゴが有名だが、それに続く新たなブランドとして確立できれば」と宍倉支所長は期待をかける。
収穫したホタテガイは日曜・祝日に開かれる小柴名産直売所で販売するほか、敷地内にある「小柴のどんぶりや」の食材としても活用する予定。また、収穫祭として「ホタテフェア」の実施も検討している。
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