季節の花【16】 ターバンから「チューリップ」に 球根3個で家が買えた? 日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(富岡西在住)
陽光はもう春。いろいろな球根類が花壇を彩り、中でも「チューリップ」は女王の風格を備えています。この時期の球根類の多くは、東地中海沿岸のトルコを中心とした小アジアが原産で、夏の乾燥を避けて、冬に花を咲かせる地中海性気候に適した植物です。日本では、この時期に咲く花が少ないため、好んで栽培されています。
チューリップの語源は、1544年ヨーロッパ人がトルコでこの花を始めて見て、トルコ人に聞いたところ、トルコ人はターバンと勘違いして「チュルバント」(ツルバン)と答えたことから始まりました。ツルバンは、フランスに渡ってフランス語の「チューリッペ」となり、「チューリップ」と呼ばれるようになったのです。
1630年代にはオランダで大流行し、いろいろな品種がつくられ、飛ぶように売れました。特に新品種は高値で取引され、球根3個で運河沿いの家1軒が購入できたといいます。そして歴史上有名な「チューリップ狂時代」を生み出しました。現在もオランダでは、年間生産量が12億球根以上で、そのほとんどが外国へ輸出されています。
日本へは、江戸時代に入っていましたが、本格的には明治以降になってからで、当時は花の香りがウコンに似ていることから、「鬱金香」(ウッコンコウ)と呼ばれていました。
次回は、3月3日号掲載予定で「アブラナ」です。
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