金沢区・磯子区版 掲載号:2019年3月21日号
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全国青年・女性漁業者交流大会で農林水産大臣賞を受賞した 斉田 芳之さん 金沢区柴町在住 63歳

食べて育つ「海への思い」

 ○…「漁師は獲るだけでなく、生態を知って持続可能な漁にしないと」。漁業者交流大会で発表したアマモ場の造成も取り組みのひとつ。アマモの花枝の採取から種子の熟成・選別、苗床づくり、移植まで行政や市民団体と協働で行う。「参加した市民や子どもがいろいろなことを感じるはず。そこから海を大事にしたい気持ちが育てば」と願う。

 ○…漁師になった20代半ばからアナゴ漁一筋、37年。一貫してアナゴの穴に入る習性を利用した筒漁を採用する。「魚を傷つけない優しい漁法。魚のストレスがないから味もいいんです」。2000年からアナゴ漁に使う筒に小さなアナゴが逃げられるよう、穴を開けた。「最初は『せっかく獲ったのにもったいない』という声も。理解が進み、今では1都2県の漁師が採用している」。アナゴは自身の食卓に週2回はのぼる。「食べないと分からない。浅い海で獲った方が、うまいんですよ」

 ○…約15年前、見学にきた小学校で、柴漁港を知っている児童がわずか3人だったことに衝撃を受ける。「子どもにも開かれた港にする必要性を強く感じた」。以来、積極的に児童・生徒の受け入れを実施。今では大学生も含め年間約1000人が訪れる。獲った魚を生徒が自ら捌き、食べるプログラムも。「ギザギザでもいい。自分でやることに意義がある」。見て、触れて、味わって――五感で海を感じることが大切だと訴える。

 ○…近隣の文庫小や八景小などアナゴを給食に取り入れる学校も増えた。「『普段は残す子が完食した』とか『余ったアナゴはジャンケンで取り合いでした』とか先生がメールで教えてくれる。たまらないね」と目を細める。食べてもらうことは魚の美味しさを伝えること。「それが漁師みんなの元気につながるんです」

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