横浜高校(能見台通)は7月31日、第98回全国高等学校野球選手権神奈川大会の決勝で慶應義塾高校(港北区)を9対3で下し、3年ぶり16度目の優勝を果たした。昨夏勇退した渡辺元智前監督(71)の後を継ぎ、就任1年目にして初めて甲子園の土を踏む平田徹監督(33)。全国の頂を目指し、8月7日(日)に甲子園球場(兵庫県)で開幕する全国大会に挑む。
猛打で勝ち上がってきた。この日も増田珠(しゅう)選手(2年)が2本の2ランを放つと、14安打で圧倒。「本塁打ばかりが目立つが、守りが崩れなかったのが一番」と見るのは平田監督。プロ注目の藤平尚真(しょうま)、石川達也両投手(3年)の二枚看板を中心に、堅実な守備で慶應打線を3点に封じた。チームは大会最多となる通算14本塁打を記録し、新生横浜の初優勝に花を添えた。
選手信じる思いに応え
「とにかく選手を信じれば良い結果につながると信じていた」。熱戦の後で若き指揮官は表情を緩めた。普段通り地に足をつけ、地道に努力してきた力を発揮してくれれば良い――。そう伝え続けてきた。
その言葉に応えるようにアーチを架けた増田選手。「打てない時も『お前を疑ったことは一度もない』と何度も声をかけてくれた。すごく力になった」と白い歯がこぼれる。疲労骨折のため4月にメスを入れた右手首。ケガを乗り越え、夏の神奈川で復活を遂げた。「甲子園で優勝し平田監督を胴上げしたい」と力強く誓う。
平田監督から指名を受け1月からチームを束ねてきたのは公家響主将(3年)。「目の前の相手に専念しよう」「謙虚にいこう」。勝利にはやる気持ちを抑え、各々の役割を全うできるチームづくりを監督と心一つに進めてきた。「苦楽を共にした選手と戦うおかげで孤独を感じなかった。感謝の言葉につきる」と平田監督。選手やOB、スタッフ、全員で掴んだ勝利だ。一丸でつないだ名門の伝統が甲子園でまた、動き始める。
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