街路樹【9】 紅葉する「モミジバフウ」 子供のイヤリング遊びにも 日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(富岡西在住)
マンサク科のフウの仲間で、街路樹によく利用されるのは、北アメリカ産の「モミジバフウ」(紅葉葉楓)です。中国産の「フウ」とは葉の形が違っており、モミジバフウの葉は、葉柄が長く3〜5裂した掌状葉で、フウはトウカエデに似た3裂掌状葉です。またカエデの仲間にもよく似ていますが、フウの仲間は互生で、カエデの仲間は対生なので、簡単に区別できます。
中国では、フウを「楓樹」または「楓香樹」と書きますが、日本では「楓」はカエデを意味しています。しかし日本も8世紀ごろまでは、カエデを槭樹(しゅくじゅ)、フウを楓とはっきり区別していました。その後次第にカエデも楓で表すようになり区別されなくなりました。
フウの仲間は雌雄異株で、春に雄花、雌花共紅紫色に咲き、雌株は秋に長い柄をつけた球状の集合果が吊り下がります。果実の色から別名「アンバー」(琥珀)と呼ばれています。熟すと果実の表面に多数の孔が開き、中から翼のついた種子が飛び出しますが、球果はそのまま翌春まで枝に残っています。
果実の柄は樹木側に曲がって下垂しているので、風によく揺れ、その形から子供のイヤリング遊びに最適です。左の写真はフウの果実を、こけしの耳へイヤリング状につけて撮ってみました。
次回は「カキ」の予定です。
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