金沢区六浦東出身でクロアチアの下部リーグでプレーするプロサッカー選手・甲斐友基さん(30)。21歳で海を渡り、これまでクロアチアのほか、ブラジル、モンテネグロ、タイで9シーズンプレーしてきた。渡欧前に、8月下旬に開幕する今シーズンにかける意気込みなどを聞いた。
甲斐選手が今シーズン所属するのは、NK MEDIMUREC(メヂムレツ)。2015年から1年間所属し、17年から再度このチームでプレー。ポジションは主にセンター・サイドバック。179cmの身体で、身体能力を活かしたスピードや当たり負けしないフィジカルが武器だ。「ヘディングやジャンプ力は海外の選手にも負けない」と力強く話す。今季の目標はチームの優勝に貢献し3部へ昇格を果たすことだ。
岩本さんに影響受け
5歳でサッカーを始めた甲斐選手は、小学生の時に、瀬ケ崎SC、六浦毎日SSに所属。中学は六浦中学校サッカー部、高校は県内の強豪校・逗葉高校でプレーした。子どもの頃からプロを意識し、特に影響を受けたのが元日本代表で瀬ケ崎SCのOBでもある岩本輝雄さん。「家にも遊びにきてくれて、サッカーの話をしてくれた。いつか岩本選手のようなプロになりたいとずっと思ってやってきた」
異色の経歴
高校卒業時に先生から「身体のことや使い方などを勉強したら幅が広がるのでは」と鍼灸あん摩マッサージ指圧師の資格を取るために専門学校に通いながら社会人チームでボールを追った。19歳の時に地方のJクラブのトライアルを受けるも、契約寸前で叶わなかった。「逗葉高校ってどこにあるの?」と言われ、過去の経歴を指摘された。トライアルに向けてトレーニングを重ね、結果を出してもまた経歴で見られるのでは―。海外に目を向けるきっかけとなった。
独学でポルトガル語を学び「キング・カズさんに憧れていた」と21歳で単身ブラジルに。自らチームを探すも門前払いの日々。5チーム目で練習参加にこぎつけ、すぐにプロ契約を勝ち取り、3シーズンプレーした。
ヨーロッパのサッカーも経験したいとモンテネグロに。ステップアップを目指し、プレーを編集した映像をYouTubeにアップしSNSで欧州のチームの監督、関係者にメッセージを送ったところ監督から声がかかり、クロアチアへの移籍を実現させた。さらに近年、日本人選手が多くプレーするタイのチームに17年から在籍した。チームを渡り歩く中で役に立ったのが鍼灸師の資格。「チームメイトに施術することでコミュニケーションが取れ、自分の身体のケアもできパフォーマンスを維持できた。専門学校はプロになる遠回りではなかった」
日本でプレーを
「プロとして活動している以上、サッカー以外で働くのはやめようと決めている」。チームとの契約のほかに現在、地元企業など約15社からスポンサーとして海外での活動を支えてもらっている。日本に帰国するオフシーズンには、子どもたちにサッカーを教えている。日本で過ごす中で芽生えた思いがある。「30歳になり日本でプレーしてみたいという気持ちがでてきた」。スポンサーや応援してくれる人にプレーを見せたいと思うように。そのためには今季、クロアチアで結果を出すことが求められる。「活躍する姿を日本に届けたい」
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