五輪競技のセーリングで使用するセール(帆)を供給しているノースセール・ジャパン(金沢区白帆)は、医療用ガウンの生産を4月13日から開始した。新型コロナウイルス感染拡大で、医療用品が不足する中、「困窮する医療現場に少しでも貢献したい」との思いから、5日間で試作品を作り上げた。
同社は、セーリング競技・国際470級でアトランタ五輪から6大会連続で金メダリストにセールを提供しており、世界シェアが8割を超えるセールメーカー。今回、東京五輪が来年に延期されたことで、医療用ガウン「スピネーカーガウン」の生産に力を入れるという。
生産のきっかけは、セーリングを行う医師からの「医療用ガウンが不足し、手に入らない」という相談。同社では、自社で生地を持っていることや工場を所有していること、セール製作技術や経験が、医療用ガウン生産に生かせるのではないかと考えたという。同社の白石潤一郎さんは「新型コロナウイルス感染拡大が進む社会情勢の中で、企業として貢献できるとしたらガウンの製作ではないかと思った」と話す。3月下旬に受けた相談から構想を練り、5日間で試作品を作り上げ、手直しを加えて製品化を決めた。4月13日から生産をスタートさせている。
スピネーカーガウンは、使い捨てではなく洗浄し再利用することを想定している。セール生地で製作していることから、軽量で防水性、気密性に優れ、飛沫を防止する。首元、背部にベルクロを取り入れ、身長や体重を問わないワンサイズになっていることが特長だ。ただ、蒸れやすく、火気に弱く、新品は特に生地の特性上、静電気が帯電することがあり、使用の可否は各現場で判断してほしいとしている。
問い合わせ殺到
生産がスタートしてから同社には注文が殺到している。医療従事者のほかに、介護施設や保育所などの福祉施設、動物病院などからの問い合わせもあるという。販売価格は1着7000円(税抜)。納期は受注から約3週間を予定している。
詳細は同社ホームページ【URL】https://www.northsails.co.jpへ。
|
<PR>
金沢区・磯子区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|