「オレオレ詐欺」や「預貯金詐欺」などの特殊詐欺被害が、金沢区や磯子区を含む神奈川県内各地で続いている。両区とも前年と比べて被害件数・被害額ともに増加しており、両区の警察署は国際電話の着信休止を推奨するなど、各自で被害に遭わないための対策を呼び掛けている。
金沢区での今年1月から4月末までの被害件数は18件(前年同期比6件増)、被害額は約1億900万円(同8800万円増)。一方、磯子区は同時期に19件(同2件増)、約4億円(同3億8100万円増)の被害が発生している(件数・額ともに暫定値)。磯子区では今年2月に複数回の被害で3億円を超える被害が発覚したこともあり、被害額が大きくなっている。
両区の警察署によると、手口は両区とも息子や孫などを装って騙す「オレオレ詐欺」や、警察官や金融機関の関係者を名乗ってキャッシュカードや通帳などを騙し取る「預貯金詐欺」が多いという。
また、近年は「+1」や「+44」などから始まる国際電話番号からかかってくる特殊詐欺の電話が増加傾向。そのため、県警では海外との通話が不要な人には、固定電話で国際電話の発信・着信を休止することを推奨している。「国際電話との通話が必要なければ、休止は有効。怪しい電話に出なければ被害には遭わない」と磯子署の担当者。休止は無償で実施可能で、両警察署で相談を受け付けている。
地域一丸で防ぐ
被害が多くある一方、地域の金融機関や店舗などの機転によって被害を未然に防ぐ事例も増えている。
磯子区のコンビニエンスストア「ローソン栗木一丁目店」では、今年3月と4月に計4件の詐欺被害抑止に貢献し、磯子署から4枚の感謝状を贈呈された。同店ではアルバイトの店員を含め、特殊詐欺が身近にあるものという意識を日頃から共有。山田みちよ副店長は「店舗では自分の祖父母や両親とかが被害に遭ったら嫌だよねと話している。実際に被害を防げたり、周囲の人がお客さんに声を掛ける姿を見たりして、気になる様子があれば声を掛けてくれるクルーが増えた」と話し、高額の電子マネー購入者や電話をしながらATMを操作する人などへスタッフが積極的に声を掛けて目的などを確認していることが奏功している。
金沢署では5月23日に「金沢区特殊詐欺等対策協議会」を開催。金融機関やコンビニエンスストア、鉄道・バス事業者、自治会町内会などから約40人が集まり、被害が続く現状や手口、被害抑止に向けた対策などを共有した。金沢署の担当者は「さまざまな業種で、色々な目を向けていくことが被害抑止につながる。高齢者に限らず、40・50代の被害もあるので意識してほしい」と注意喚起している。
金沢区・磯子区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|