東京圏の鉄道のあり方を検討してきた国の審議会は、20日に国交相に提出した答申で、全24の事業を「意義があるプロジェクト」に位置付けた。港南区関連では上大岡駅を含め横浜市内を環状に延びる「横浜環状鉄道」が位置付けられた。ただ、優先度の格付けはなく、実現化は行政や各鉄道会社の判断や事情に左右されそうだ。
答申は、国土交通省の交通政策審議会小委員会が東京圏の2030年ごろの鉄道のあり方をまとめたもの。同様の答申は、整備の優先度まで盛り込んだ2000年の運輸政策審議会答申第18号以来、16年ぶり。今回の答申では東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の鉄道の新設や延伸など全24事業を「意義がある」と位置付けたが、優先度の格付けはしなかった。
横浜環状鉄道は鶴見―日吉―中山―二俣川―東戸塚―上大岡―根岸―元町・中華街をつなぐ計画。運政審18号で「15年までに整備着手することが適当」に位置付けられ、08年に日吉―中山間が市営地下鉄グリーンラインとして開業した。
今回の答申では横浜環状鉄道のほか、県内では▽横浜3号線(市営地下鉄)のあざみ野―新百合ヶ丘間の延伸▽いずみ野線の湘南台―倉見間の延伸▽東急田園都市線の溝の口―鷺沼間の複々線化▽東海道貨物支線の貨客併用▽小田急小田原線の登戸―新百合ヶ丘間の複々線化と小田急多摩線の延伸――が「意義ある」と位置付けられた。
横浜市都市整備局担当者は「答申に盛り込まれたことは喜ばしいこと。今後、事業性を高める検討など、長期的に取り組んでいきたい」とする一方、「市としてはまずは3号線(ブルーライン)のあざみ野から新百合ヶ丘への延伸の早期事業化を進めていく」と話す。
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