ファンタジー小説『サンタ・カンパニー』を出版したアニメ監督 糸曽 賢志さん 中区吉田町在住 34歳
世代超え届く物語を
○…「もしもサンタからのプレゼントが会社として行われていたら」というストーリーのファンタジー小説『サンタ・カンパニー』を11月7日に出版した。物語の中では、会社というシステムの「便利さと窮屈さ」がコミカルに書かれている。「大人には子どもの頃の純粋さや無鉄砲さを思い出してほしいし、子どもには大人の苦労を少しでも感じてもらえたら」と想いを語る。
○…小学生の頃から絵を描くことが好き。「漫画を買ってくれない家庭だったので、それなら自分で描こうと」自作の漫画を友人たちに見せていたという。漫画家を目指して東京の美大に進学したが「勉強そっちのけで」漫画制作と出版社への持ち込みに明け暮れた。転機が訪れたのは19歳の時。スタジオジブリがアニメ演出家を育てようと若手を募集していることを耳にする。「まさか受かるわけがない」と思いつつ応募したところ、持前の発想力と行動力で見事合格を掴み、約1年間、宮崎駿監督の下でみっちりと現場を学んだ。
○…「アニメで表現したいことが沢山出てきた」と、28歳で自らスタジオを設立。08年に発表したアニメ映画『コルボッコロ』はエコがテーマの作品で、国内外で数々の賞に輝いた。アニメ作品以外にもCMやミュージックビデオを手掛けるほか、大学の非常勤講師を務めるなど多忙を極めるが、「どの分野での経験も、いつかは自分のためになる」と日々を楽しんでいる。
○…「サンタ・カンパニー」シリーズは来年、アニメ映画化も予定されており、現在はこの作品に心血を注いでいる。今回の小説発売前には「取り扱ってくれる書店を一軒一軒回って、店長に交渉して、ポップにコメントを書き添えたりもしました」と笑う。より多くの人に作品のメッセージを伝えたいという熱意が感じられる。「子どもだけでなく、大人も楽しめる作品になっていると思います」。笑いと感動と夢がつまったプレゼントを、この冬届ける。
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